ルナ先生日記

浜松市中区佐藤にあるルナ動物病院 院長のブログです。 動物病院の先生は日頃こんなこと・あんなことを感じています。 ぜひおたのしみください。

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動物のダイエットはどうすればいいのでしょうか?

カテゴリー │Q&A

Q:最近太ってきてしまいました。ダイエットはどうすればいいのでしょうか?
動物のダイエットはどうすればいいのでしょうか?この患者様は子宮蓄膿症という病気になり、緊急手術により卵巣・子宮を摘出し一命を取り留めました。その後の経過は順調で、順調すぎて体重が増加してしまったようです。
私自身こんな体型なので『減量、減量』とうるさくありませんが、長生きのため、健康にとって必要なことですよね〜。
A:
 一般的に、避妊・去勢手術後は太ると言われます。手術前に私がいつも話すのが、太ってしまう前に食事制限をしていきましょう。なぜなら減量中の動物が受けるストレスより、飼い主様のほうが減量させることにストレスを感じてしまうからです。
 太ってしまう病気ももちろんあります。消費エネルギーの低下を示す病気で、甲状腺機能低下症という病気があります。活動性が低下し、食欲があまりないのに太ってきてしまうのなら要注意です。血液検査によって診断が可能な病気なので、ぜひご相談ください。
 また、異常な食欲によって太る場合があります。副腎皮質機能亢進症という病気です。この病気の場合、水の飲み方も異常に増えるのが普通です。この病気も血液検査で診断可能です。
 ちなみに『食べると太る』が道理なのに、『食べても痩せる』病気に、糖尿病・甲状腺機能亢進症があります。動物の糖尿病は近年かなり増加していますので、要注意ですね。糖尿病では、水の飲み方も多くなります。
次に実際のダイエット法についてお話しましょう。
※この記事は病院HP引越しのため、旧HPから一部転載しております。

 摂取カロリーと、消費エネルギーの差が体重増加になることはお分かりになるでしょう。体重が増えるということは、必要以上にいっぱい食べているからなのです。運動で消費させるのはなかなか大変なことなので、やはり食事を工夫するしか、ダイエットの方法はありません。

U+2460 食事をカロリーの低いものにかえます。シニア食・ライト食に変えるのですが、それでも減量できない場合は、病院に減量用処方食があります。

U+2461 減量食にしても体重が減らない場合は、2〜3割食事量を減らします。食べる量が減るために動物が満足感が得られない場合は、ドライフードをふやかして(ドライフードをお湯につけると15分くらいで倍量に増加します。)かさを増やしてください。食後の歯磨きは忘れずにね。

U+2462 おやつをどうしても与えたい場合は、なるべくカロリーが低いものを選択してください。そして、与える分だけ食事のカロリーを減らさなくてはいけません。病院には減量用ビスケットもあります。

U+2463 動物の満足感は、得てして飼い主様の満足感の場合が多いため、どうしても食事量が減ってかわいそうに思えるならば、食事回数を増やしてみたらいかがでしょうか。その場合、ふやかして倍量にした食事を、一日の摂取量の範囲で小分けにして与えるのです。
動物も、きっと『エッ!!また食べていいの?』と感じることでしょう。

U+2464 ホームメイド食の場合は、食材をカロリーの低い鳥のササミ・もも肉を使い野菜を多くし、寒天等で量を増やして与えるようにしましょう。

U+2465 ネコちゃんの減量の場合、おいときっぱなしの食事はやめて朝・夜2回の食事にしましょう。
ワンちゃんに食事を与える時と同じように、与えた食事を食べなければ器をさげるようにしてください。次の食事のときはちゃんと食べてくれるでしょう。その場合、朝食べなかったからといって夜の食事量は増やさないでください。一日の摂取量を測ったならば、その量を均等に与えたほうが翌日の朝はしっかり食べてくれるようになります。

※動物のフード選びの注意事項 
 動物の食事に『○○ダイエット』と書いてありますが、このダイエットは英語で『食事』という意味で、減量食という意味ではありません。ご注意ください。カロリーが低いものかどうかお確かめになって、ご購入下さい。
 AAFCO(米国飼料検査官協会)の栄養基準をクリアしているフード。日本には動物の食事に関する栄養基準がないため、少なくとも米国の基準をクリアしているフードを選んでいただくのがいいでしょう。
 総合栄養食と記載があるフードを選ぶようにしましょう。
 
 きっと減量は成功するでしょう。いや、できると信じてください。
動物が減量できるかどうかは、飼い主様のお気持ちしだいです。
動物自身が、買い物をして自由に食べることはできません。
あなたが与えたものが、お肉になっていくのです。
太ったことで病気になったならば、あなたが加害者なのです。
 ヘルニアによる腰痛、関節炎による歩行障害、内臓疾患、糖尿病、心臓疾患の悪化、肥満が原因で起こる病気はニンゲンと同じです。
私自身も書いていて苦しくなってきました。
いっしょに減量をがんばりましょう。



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