耳血腫
この病気をご存知ですか?
柔道をしている方にはおなじみ、お相撲さんや、格闘家、ラグビー選手で耳の変形している選手が多いでしょう。
耳への打撲は内出血を起こします。
治療しなければ、内出血がおさまっても耳の軟骨が変形します。
治療しても、こうしたことの繰り返しで耳がだんだん変形してしまうのです。
犬でも猫でも発症します。
原因で多いのが、外耳炎で耳を掻きすぎておきるものなので、耳を気にしている動物は要注意です。
また外耳炎でもないのに突然発症する場合も多く、この場合は『免疫介在性』だといわれています。
治療は外科手術、内科治療、局所療法があります。
手術には全身麻酔が必要で、術後の管理も大変です。
費用もかなりかかってしまいます。
組み合わせで治療する場合もありますが、
当院では局所療法のみで行う治療がメインとなっています。
注射器でたまっている血液を抜き、その後ステロイドなどを注入する方法です。
多くの動物は麻酔なしで行うことができます。
通常、1回だけでなおってしまうことはありません。
患者さんには、『コレでなおらなければ手術しようね』といって始めますが、
当院で3回以上治療が必要だったケースはありませんでした。
痛みは針を刺す痛みだけですが、問題になるのは、耳から血を抜き薬剤を注入するあいだ、動物が我慢してくれるかどうかです。
2~3回通院していただきますが、10分程度の治療ですみます。
犬も猫も投薬の必要もなく、術後の管理も必要ありません。
外耳炎を併発していれば、その治療は必要です。
麻酔も入院も投薬も包帯交換も必要ないので、費用は手術に比べれば問題にならない程度です。
局所療法が敬遠されるのは変形がおきやすいためなのですが、手術でも耳の変形はおきてしまいます。
私の経験では、患者様に許容できる範囲だと満足していただいています。
関連記事