見つけ次第撲殺!中国の地方都市

ルナ動物病院

2009年05月25日 18:13

~見つけ次第撲殺! 突然の犬禁止令の背景は? 中国の地方都市~
ショッキングな見出しに、
ほんとに~?
と、目を疑いたくなるニュースです。
ちなみに、中国では昨年も
~狂犬病相次ぎ、犬1万匹捕殺 中国雲南省~
というニュースがありました。
チベットへの対応なども含め、なんだか背筋がゾクゾクする国です。
是非はべつとして、
国際的な非難も無視し、中国政府はコレだけのことをしてまで防ぐことに真剣です。
それほど狂犬病は怖い病気なんです。
犬だけでなくすべての哺乳類に感染し、
今恐れられているインフルエンザなどよりも致死率は高く、
発病したらほぼ100%死亡するおそろしい殺人ウイルスなのです。
日本は数少ない清浄国。
お隣の韓国でも発生していることは、
この病気がいつ日本国内に侵入してもおかしくない環境であることを示しています。
恐ろしいことに今回のインフルエンザも、いつ日本国内に侵入したか未だに不明なんです。
ある日突然、狂った犬が浜松市に出現してもおかしくありません。
われわれ獣医師も狂犬病のことは知識として知っていても、
実際に今まで診たこともない症状で初診時には診断できないでしょう。
次々伝染し、人間の死者が出てはじめて、ようやく遺伝子検査で狂犬病ウイルスが分離されるのです。
犬だけでなくすべての哺乳類が感染する病気なので、野生動物に潜伏してしまうかもしれません。
人への被害を防ぐためには、狂犬病ワクチンの予防接種しかありませんが、日本での接種率は50%ちょっとしかないので、あっという間に国内全体に広がることでしょう。
そうした場合、ワクチン接種していない残りの50%の人は、どのように考え対処するのでしょう。
あわててワクチン接種することは間違いないですが、
万が一感染し、しかも人に咬み付き感染させ死亡させてしまったら・・・。
知らなかったから?
そのような理由では、死亡した遺族が許してくれるわけがありません。
副作用の問題、獣医師会の利権問題など、
獣医師として問題となるべき点は知っていますが、
それを上回る予防効果が必要だと信じなくてはいけないのでしょう。
注射していない方ほど愛犬家? などと考え、注射をしない方がいるようです。
いざ日本国内で狂犬病が発生し、
ワクチン接種していない犬は全頭捕殺などとなったとき、
その人たちはどうするのでしょう。
自分たちのしでかしたことに責任が取れるのでしょか?
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