ルナ先生日記

浜松市中区佐藤にあるルナ動物病院 院長のブログです。 動物病院の先生は日頃こんなこと・あんなことを感じています。 ぜひおたのしみください。

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『動物にやさしく、人にやさしい、あたたかな病院』をモットーに、スタッフ一同努力してます。
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わずか4日・・・(._.)

カテゴリー │血液・免疫・内分泌疾患当院の秘密兵器

製品の謳い文句によると、通常生活を送っても14日間剥がれず測定できるはずが・・・
私はホモサピエンスの中でも毛むくじゃらではありませんが、何も考えずに日常を送るとわずか4日間の寿命、昨日とれてしまいました。
毎日仕事で冷や汗をかき、ジムに行って汗だくになり風呂にはいれば、流石にそれほど長期間は持ちませんよね〜。
なるほど、
こんな軟らかな針が体に刺さり、チューチュー体液を吸ってリアルタイムで血糖値を測定してたんですね(*_*)
蚊とかブヨとかの口にある針を連想させ、
何だか人工的な寄生虫にやられていた!って、気分になります。
毛むくじゃらの動物に装置した場合、数値が信頼出来るかどうか?の他、剥がれやすさもネックになりますね。
先人たちは、動物の毛を刈り、フィルムを貼ってセンサーを装着し、その上に術後衣という工夫をしてるようです。
まだ当院では動物に使用していないので、詳しいご報告はまた次回にしましょう。
いづれにしても、正しく測定できれば凄い武器になりそうです。




いろいろなアレルギー

カテゴリー │血液・免疫・内分泌疾患皮膚疾患

アレルギーにはいろいろあります。
このワンちゃんは、アレルギー反応で顔全体がむくんでいます(ムーンフェイス)。
食物、虫刺、薬剤、吸入物、植物など何が原因かわからないこともありますが、このワンちゃんはワクチン接種に発症したワクチンアレルギーでした。
顔が腫れた後、吐き気や、下痢の症状が続く場合もあり、全身に痒みの伴う蕁麻疹が出ることもあります。
急激なアレルギー反応は生死にかかわるので、当院ではワクチン接種後30分は院内待機、帰宅しても少なくとも24時間は注意が必要です。
このように睾丸だけが2倍に膨れたこともありました。
原因不明で他に症状がなかったため病理検査を実施するとアレルギーの反応が疑われました。
微量なステロイドだけで症状を抑えることができ、現在は食事を変更して再発しておりません。





副腎皮質機能低下症

カテゴリー │血液・免疫・内分泌疾患


副腎皮質機能低下症
ふだんあまり聞かない病名ですね。
先日のブログで、
この病気の治療は費用がかなりかかるので苦慮する病気だとご紹介しました。
5kgの動物で、人の薬価から見積もって薬代だけで月24000円以上はかかります。
動物医療はそれが実費なうえ、この病気は治癒することなく一生涯治療を続けなくてはいけないのです。

この病気に対し、副腎皮質機能亢進症もあります。
低下症よりも遭遇しやすい病気で、この病気の治療にも費用がかかります。
亢進症の治療中に薬が効きすぎて低下症が起きることもあります。
副腎皮質機能亢進症については、また後ほどご説明しましょう。

今日は、副腎皮質機能低下症についてです。




M.ダックスの無菌性結節性脂肪織炎

カテゴリー │血液・免疫・内分泌疾患

今日、電話でこの病気のダックスさんからご相談がありました。
他の病院でこの病気だと診断され、現在治療中。
2ndオピニオンをもとめられました。
すべての犬種で起こりうる病気ですが、
ダックスの発症が多いので、
椎間板ヘルニアと同じように知っておいたほうが良い病気です。
詳しくは、当院ホームページの
コチラ
をごらんください。




元気ないな~。食欲ないな~。まさか免疫介在性疾患かな~。

カテゴリー │血液・免疫・内分泌疾患

先日記載した免疫介在性疾患に対し、
このような質問がありました。
【院長先生いつもお世話になっております。今日の記事とは関係ないのですが犬の免疫性疾患やつい最近記事になっていた犬の血液の病気について教えていただきたいのですが、最初の症状、食欲不振、元気が無い等の他にどんな症状が出てくるのでしょうか?それと、それらを予防する事はできないのでしょうか?単に免疫性疾患、血液の病気といってもいろんな病気があるでしょうけど、それらの病気に関係があるかどうかわかりませんが神奈川県に住んでいる姉の飼っていた犬は雑種で悪性リンパ腫で亡くなりました。ついでに雑種に多い病気も教えていただきたいのですが、よろしくお願いします。】
残念ですが『これだッ!!』という、決定的な症状はありません。




免疫介在性貧血

カテゴリー │血液・免疫・内分泌疾患

血液疾患はいろいろありますが、みなさんこの病気はご存知でしょうか。
致死率は20~70%と決して低くなく怖い病気です。

貧血とは、
血液の中の成分である赤血球が減少した状態です。
免疫介在とは、
生体には外敵から身を守ろうとする免疫反応があり、それが関与して発症した状態のことです。
こうした免疫を利用した代表的なものがワクチン接種ですね。




耳血腫

カテゴリー │血液・免疫・内分泌疾患皮膚疾患

この病気をご存知ですか?
柔道をしている方にはおなじみ、お相撲さんや、格闘家、ラグビー選手で耳の変形している選手が多いでしょう。
耳への打撲は内出血を起こします。
治療しなければ、内出血がおさまっても耳の軟骨が変形します。
治療しても、こうしたことの繰り返しで耳がだんだん変形してしまうのです。




骨髄ろう

カテゴリー │血液・免疫・内分泌疾患

この病名を聴いたことがある方は少ないでしょう。
骨髄といえば骨の真ん中、血液を作るところです。
白血病での骨髄移植が有名ですね。
骨髄ろうという病気は、簡単にいうと骨髄がなくなっちゃう病気です。
骨髄がなくなると当然血液の細胞が足りなくなり、
赤血球減少(貧血)・白血球減少・血小板減少
など血液の重要な成分すべてが足りなくなります。
重要な血液成分がなくなるので、当然元気がなくなり死亡する病気です。
感染症・薬の副作用・ガン・免疫介在性など原因は様々で、予後が悪いものが多い病気です。
血液検査・骨髄検査で診断しますが、治療が大変です。
免疫抑制療法・サイトカイン療法・輸血などの支持療法を行い、ガンであれば抗がん剤で原因を直接叩いていきます。
しかも、どの治療も高価な費用がかかるため、飼い主様と予後を十分話し合い、治療にかからないとトラブルの元になります。

このような難しい病気の猫ちゃんが本日来院しました。
インフォームドコンセント(病気の説明)だけで1時間はかかり、治療開始しましたがかなり予後は難しそうです。
ぜひ回復していってもらいたいです。

このような難しい病気は、人ならば無菌室を備えた総合病院で、骨髄移植などの高度医療を視野に含めた治療をしていくのでしょう。
残念ながら動物病院はそのような専門科の区別なく、なんでも治療していかなくてはいけません。
都会では、大学病院も近くにあり、高度医療・二次診療も当たり前になりつつあります。
当院でも、高度医療が可能な施設に紹介したい、難しい病気はよくあります。
近くに今後そのような施設ができるように期待しつつ、
今日も苦悩が続くのでした。icon07