ルナ先生日記

浜松市中区佐藤にあるルナ動物病院 院長のブログです。 動物病院の先生は日頃こんなこと・あんなことを感じています。 ぜひおたのしみください。

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『動物にやさしく、人にやさしい、あたたかな病院』をモットーに、スタッフ一同努力してます。
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凍結幹細胞による再生医療

カテゴリー │再生医療

今日は凍結幹細胞治療のお話しです。
再生医療は、治療に使用する細胞培養のために1~2週間の期間が必要です。
しかし凍結幹細胞治療は凍結細胞さえあれば、いつでもすぐに治療できるメリットがあります。
治療手順はマイナス80度に凍結保存していた幹細胞を解凍、調剤し、ゆっくり患者様の静脈に点滴していきます。
本日当院で治療したのは、慢性腎不全ステージ3と免疫介在性溶血性貧血のそれぞれ難治性疾患を患う2頭のワンちゃんです。
当院では凍結幹細胞治療を2年前から導入していますが、効いたのかな?っていう症例も、まったく効かないって症例もありそれぞれです。
まだまだこれからの治療で、富士フィルムなどの医療機器メーカーや大手製薬会社が臨床治験をはじめ、今後の製薬化が期待されています。




再生医療~他家幹細胞移植~

カテゴリー │再生医療

他家幹細胞1再生医療・・・最近、ますます治験が進みいろいろなことがわかってきました。
また、できることも多くなり、このような記事も書かれていたのでご紹介します。
『スーパー脂肪幹細胞は嘔吐や下痢で悩む炎症性腸疾患(IBD)の救世主に?』クリックすると記事へ
他家幹細胞2ホント~?夢のような可能性が広がり、いろいろできそうなことは事実です。
しかも、リスクが高く麻酔に耐えられない動物や、培養期間を待たず、すぐ使用したいときにに超低温(-80度)で冷凍保存した幹細胞が使えるんです。
当院の冷凍庫には、現在1回分(5kgの犬)の脂肪幹細胞が冷凍されています。
冷凍幹細胞のストックをいっぱい置ければいいのですが・・・
他家幹細胞3培養するにも費用がかかり、使用しなければ半年でダメになってしまいます。
使用しないと無駄になるので、ご興味がある方はぜひご相談ください。
当院でも、再生医療が効果的であった症例がいくつかあります。
椎間板ヘルニアで歩けないワンちゃん、肝障害、腎不全、免疫介在性疾患・・・
まだまだ未知の領域ですが、あきらめずにできることをやっていきましょう。
 





炎症性腸疾患の犬の治療に対する同種脂肪組織由来間葉系幹細胞の安全性と効果について:臨床的および検査の結果

カテゴリー │再生医療

当院でも、脂肪幹細胞治療を実施しています。
肝不全・腎不全・免疫介在性疾患での有効例がこのように紹介されることで、難治性疾患の希望へつながります。
当院ではこのような-85度の超低温フリーザーを購入し、他家脂肪幹細胞の治験も実施中です。
他家細胞での治療は、健康な他の動物から細胞を採取し培養増殖させるため、病気で衰弱した動物自身にさらに負担をかけることなく、活きのよい細胞を必要な時に移植することができるため、非常に応用範囲が広がります。
詳しくは、また次回ご説明しましょう。

紹介のあった論文がこちら・・・
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Safety and efficacy of allogeneic adipose tissue-derived mesenchymal stem cells for treatment of dogs with inflammatory bowel disease: Clinical and laboratory outcomes.
Vet J. 2015 Aug 7. pii: S1090-0233(15)00327-5. doi: 10.1016/j.tvjl.2015.08.003.
Perez-Merino EM, Uson-Casaus JM, Zaragoza-Bayle C, Duque-Carrasco J, Marinas-Pardo L, Hermida-Prieto M, Barrera-Chacon R, Gualtieri M.

間葉系幹細胞(MSCs)は、実験的な結腸炎において免疫調節および抗炎症効果が証明されており、クローン病と潰瘍性大腸炎の人において臨床的な効果が期待されている。

本研究の目的は、炎症性腸疾患 (IBD)の犬において脂肪組織由来MSC (ASC)療法の安全性と実現可能性を明らかにすることである。

IBDと確定診断された11頭の犬に対して、ASC(2x10^6 cells/kg)を1回静脈内投与した。結果の評価は、治療開始後42日の時点において、C反応性蛋白(CRP)、アルブミン、葉酸、コバラミン濃度の正常化だけではなく、有用な臨床的炎症性腸疾患活動指標 (CIBDAI)と犬慢性腸症臨床活動性インデックス(CCECAI)がどの程度減少するかという点についての臨床的な反応であった。治療の前後においての変化を比較するのにはWilcoxon試験を用いた。

経過観察している間に、ASC投与に対する急性の反応もなく副作用が認められた犬もいなかった。治療6週後において、CIBDAIとCCECAIは有意に減少し、アルブミン、コバラミン、葉酸濃度も実質増加した。治療前後におけるCRP濃度の減少は有意ではなかった(P=0.050)。42日の時点で、11頭中9頭において臨床的な寛解(最初のCIBDAIおよびCCECAIが75% 以上減少することと定義する)が得られた。残りの2頭の犬は、69.2%と71.4%の減少率で部分反応を示した。

結果として、同種ASCの単回IV投与は耐容性があり、重度のIBDの犬において臨床的な恩恵があるようにみえた。(Dr.Taku訳)





再生医療学会

カテゴリー │再生医療

昨日は休診日をいただきありがとうございました。
再生医療学会に出席していました。
研究会から昇格して初めての学会・・・
『いかがわしい治療』から『信頼される治療』
に昇格するために必要な過程です。
東京女子医科大学先端生命医科学研究所の大和先生、大阪府立大学生命環境科学研究科細胞病態学教室の鳩谷先生の講演、再生医療の症例報告・・・
なんとも刺激ある一日。
あらためて未知なる可能性を感じ、やる気満々になりました。
当院の再生医療も日々稼働しています。
ブログで症例報告もしていきますね~




幹細胞とiPS細胞

カテゴリー │再生医療


山中教授、ノーベル賞おめでとうございます。
沈滞した日本社会、久しぶりにスカッとしたのは私だけではないでしょう。
教授が受賞したのはiPS細胞の大発明、当院で治療できるのは幹細胞
何が違うのでしょうか?





脊髄疾患への再生医療

カテゴリー │再生医療


幹細胞移植は、
交通事故での脊髄損傷や、
腕の骨折が治らずぷらぷらしている難治性の骨折に威力を発揮します。

そのまま放置している一番の理由は?
治療法がないから???

当院でも椎間板へルニアの手術をしたにもかかわらず麻痺が改善しないワンちゃんがいます。
当然、幹細胞移植をおすすめしているのですが、なかなか同意をえるまでは・・・
本当の理由は、飼い主さんしかわかりません。




再生医療=幹細胞治療

カテゴリー │再生医療


当院の再生医療は、欠損部位を新たに作った培養組織で補填するような再生医療ではありません。
ES細胞やips細胞などが有名どころですが、当院でできるのは脂肪幹細胞移植です。
脂肪幹細胞は脂肪、軟骨、骨、骨格筋、心筋、腱、神経、血管などへ分化誘導できる可能性が示されていて、骨髄幹細胞よりも採取しやすく増殖能力も高いため応用範囲が広いのが特徴です。
脂肪再生、骨再生、心筋再生、血管新生、難治性潰瘍などでの応用が可能で、
人医では特に乳がんなどで乳房を失った方の乳房再建手術で、脂肪細胞を増殖させるのに注目されているそうです。
動物医療でも応用範囲は広く、詳しくは、コチラをご覧くださいね。
http://j-arm.com/

さて、実際は・・・




活性化リンパ球療法【再生医療】

カテゴリー │再生医療


【活性化リンパ球療法】

http://j-arm.com/immuno.html この名称いかがわしく感じますか?
当院でこの治療が最近できるようになったのですが、人の医療ではすでに数年前からがんの免疫療法として実践されています。
そして、人の医療では保険適用外で3桁かかる費用が問題となりますが、
動物医療では始まったばかりの治療で、当院では治験もかねていますので1回4万程度で実施しております。

この子ちゃんは、メラノーマという転移性・再発性の高い癌を患いました。





再生医療…もう~いいかい?

カテゴリー │再生医療


がん治療として行う免疫療法=活性化リンパ球療法が実施できるようになりました。
これは培養1週間目のリンパ球です。
1週間前に緑の仕切り下の部分に、血液から分離したリンパ球を注入しました。
37℃、5%二酸化炭素濃度の培養装置のなかでリンパ球がすくすく育つと、こんなに色が変わりにごってくるのです。





再生医療はじまりましたっ!!

カテゴリー │再生医療


当院でも再生医療がはじまりましたっ!!
再生医療とは、薬でも手術でもなく患者さん自身の細胞の自己治癒能力を増幅させ、生体が病気を治そうとする手助けをする治療です。
それによって今まで治らなかった病気が治り、コントロールできるかもしれません。
動物では最近始まったばかりの治療なので、どこまでその能力が秘められているか楽しみです。
再生医療といってもいろいろあります。
当院の再生医療でできることは、ホームページに詳しく掲載してあります。
http://www.lunahp.com/regenerative.html
実際の症例は、協力していただける方がいれば紹介していきます。
当院の初症例は、がん治療のための活性化リンパ球療法でした。