ルナ先生日記

浜松市中区佐藤にあるルナ動物病院 院長のブログです。 動物病院の先生は日頃こんなこと・あんなことを感じています。 ぜひおたのしみください。

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『動物にやさしく、人にやさしい、あたたかな病院』をモットーに、スタッフ一同努力してます。
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今月のNG

カテゴリー │ルナ動物病院

夢とロマン
謎があるから面白い
待合室に置いときます。



学校飼育動物委員会

カテゴリー │ルナ動物病院

本日、学校飼育動物委員として
『動物ふれあい教室』に参加しました。
今日は富塚小学校の4年生が、動物との接し方を1時間の授業で学びました。
動物園から子供ウサギを借りてきて、
保健所の先生2名、獣医師会の獣医師6名が先生です。
子供たちはウサギの体温を感じ、心音を聴診器で聞き喜び、
目を輝かして質問をしてくれました。

学校飼育動物は、校長先生の理解と担当の先生の熱意があれば、
成功するはずなのですが、それが一番難しい問題です。
校長先生や担当が替われば、飼い方が変わります。
休みの日の管理を含め難しい問題をいっぱい抱えます。

アニマルセラピーが、小児科病院や老人施設で尊ばれているのですから、
学校飼育動物は、確実に生徒さんの情操教育にはなるはずです。




緊急手術Ⅱ

カテゴリー │病気

ここ数日、不幸なことばかり続き、かなりめげていました。

整形外科病院をおすすめした患者さんは、手術前にお亡くなりになりました。
非常に残念です。
死亡した状況を転院先に伺うと、
胃腸障害?(使用したステロイドの影響?)
DICによる凝固不全?(熱射病の影響?)
脊髄障害による呼吸不全?(上行性下行性脊髄軟化症?)
が考えられます。
当院での治療も要因となったことも飼い主様に話しました。
ワンちゃんにとってベストな治療はなんであったか?
転院先の専門医の先生にも助言をいただき、悩み、苦しみました。
今後も、同じようなケースはいっぱいあるでしょうが、
亡くなったワンちゃんの分も生きてもらうようにする使命があります。
難しい、難しい、治療です。

また、嘔吐下痢のワンちゃんも治療後、翌日死亡。
飼い主様の自宅はトリミングをしているので、感染症を心配していました。
院内検査できる、パルボ・ジステンパーはいずれも陰性。
症状からも、おそらく感染症はないでしょう。
検死解剖はご希望されなかったので、それ以上の検査はできませんでした。
死亡するなんて想像もできない症例だったので、愕然としています。
心臓が先天的に悪かったので、それが突然死の主因だと想像はできますが、
確定できません。
一体なんだったのでしょう?
生き物の治療は難しい、難しい。

このように2日連続で、悩んでいた矢先。
昨日は、虚脱しショック状態の猫ちゃんが来院しました。
心拍数は80。血圧は測れません。体温は33度、体温計が壊れたかのようです。
この猫ちゃんは妊婦さんで、生む直前ほどのお腹をしています。
胎児も心拍がわからないほど衰弱しています。
ネコは安産なのが普通なんですが、
一体どうしたってのでしょう?
飼い主様の話を伺うと、本当に突然の虚脱状態。
子宮破裂か?子宮捻転か?
ショック状態ですが、とにかく子宮の問題が考えられるため、夜間緊急手術。
珍しいことに、子宮捻転です。
ワンちゃん、猫ちゃんの子宮は、ソーセージが2本くっついたような構造なのですが、
その2本が腹腔内でよじれあい、結ばれたような状態になっています。
胎児はすでに死亡していましたが、
子宮の捻じれをなおし、飼い主様のご希望で子宮は残せそうです。
帝王切開で胎児を取り出し手術は成功、強心剤などを使用し後は集中治療。

不幸続きで、この猫ちゃんの安否も危ぶまれましたが、
この猫ちゃんの生命力にも助けられ、昨日のショックは嘘の様に完全復活。
本日、元気に退院していきました。
手術に踏み切ることすら危ぶまれる瀕死の状態から、麻酔にもよく耐えてくれ、
猫ちゃん、神様本当にありがとう。

こんなすばらしいことでもないと、
精神的に立ち直る機会もありません。
感謝・感謝です。




緊急手術

カテゴリー │病気

今日来診した患者さんは、健康診断で病院にいったら
なんと大動脈瘤が見つかり、
即日入院・即日緊急手術で助かったそうです。
本日は、お元気に自転車を乗りつけ来院していただきました。
健康診断をしていなかったら、今はなかったかもしれませんね。

動物の場合も、緊急手術が必要な病気は色々あります。

みなさんすぐに思いつくのが、帝王切開でしょうか。
お母さんが苦しんでいない限り、お母さんの命に関る事態は少ないのが一般的です。
帝王切開は、赤ちゃんを救うに必要な手術になります。

交通事故などで内臓などから大出血していれば、すぐに手術が必要です。
それには血液検査、レントゲン検査、超音波検査などでモニターしなくてはいけません。
大丈夫そうな場合でも、交通事故は24時間の観察は必須です。

案外みなさんがあわてるのが、骨折です。
折れていると思っただけで、不安になりあわてる気持ちはよくわかります。
しかし、骨折は緊急疾患ではなく、実に緊急手術はほとんどありません。
肋骨の骨折で肺などに刺さっていたり、呼吸不全などがない限り、後日あらためて手術です。

椎間板ヘルニアは、両後肢麻痺の場合、
手術が早ければ早いほど、治癒する可能性は高まります。
昨日もそのような症例のワンちゃんが来院し、本日『名古屋整形外科病院』に転院しました。
手術は当院でもできますが、経験豊富なドクターを求めての転院です。
昨年のヘルニア手術は、わずか4件。専門病院の経験に及ぶわけがありません。
『名古屋整形外科病院』は、この名のとおり
整形外科でトップクラスのサービスを得ることができます。

みなさんがあまりご存じない病気で、緊急手術が必要なのに、
胃拡張胃捻転症候群 があります。
大型犬など胸の深い動物が、食後突然具合が悪くなッたら要注意です。
胃袋がお腹ででんぐり返っている状態で、手術しても助からないことがある病気です。
食後に散歩したり、運動してはいけない理由がココにあります。

腸閉塞や気道閉塞を起こしている場合、
状態によりけりですが、一般的に緊急手術になります。
嘔吐や腹痛、呼吸困難が症状です。

まだまだありそうですが、すぐに浮かんでくるのはコレくらいです。

手術によって助けられる疾患が、人間の病気ほど多くなく、
診断技術もまだまだおくれているのが実情です。

当院でできる手術、できない手術、
診断できる病気、できない病気があります。
大事なのは、それを理解することです。

つい最近も、慢性の鼻づまりの猫ちゃんがいました。
何をやっても改善しません。
精査のためCT検査をおすすめし、島田の小川動物病院に行っていただきました。
この猫ちゃんは、直すことができない病気であることがわかりましたが、
コレがわかるだけでも、飼い主様に負担をかけ、無駄な治療をせずにすむのです。

今日ホテルに来たワンちゃんは、東京の皮膚専門病院に通っています。

一昨日前には、袋ごと大きなお菓子を食べてしまい吐くことも出来ないワンちゃんに
内視鏡がある病院をご紹介しました。
当院で、バリウム検査も超音波検査もできます。
開腹手術で治すこともできます。
しかし、動物にとってBestはなんであるか?

すべての飼い主様が動物のために、
このように高額な費用と時間を分け与えられるわけでありません。

しかし、われわれ獣医師は、
1つの病気に対しいくつもの選択肢を用意し、
求められた時には紹介できる体制を常にとって置かなくては、
今の時代、患者様の要求にお答えできるものではないのです。

限界はもちろんあります。
しかし、常に動物にやさしい治療を心がけ、
精度の高い治療を求めて行きたいと思います。




ついに自転車買いました

カテゴリー │生活

今日、以前からほしかった自転車を購入しました。
エコのこと、自分の体のこと考えての購入です。
動物についてはプロですが、
自転車については素人なので、
ブログで知った
BuddyAさんのお店
に行ってきました。
ついでに、息子の自転車修理もお願いし、
あとはわたしが頑張るだけです。
まずは、通勤。
今のとこ、やる気満々です。




援助の仕方は様々だけど、人が頑張るのはすばらしい

カテゴリー │生活

ODAはみなさんご存知ですか?
簡単に言えば、政府が発展途上国に援助すること。

ODAが毎年減っているのが問題なんだそうです。

私も政府のお金、皆様の税金で、アフリカに行ってました。

金銭の支援がいいとか、人的な支援がいいとか、
援助の仕方も議論すれば際限がありません。

その当事者の経験として。

お金の援助は、やっぱ簡単です。ありがたみもありません。
特に国際社会で自己主張の下手な日本は、
損をしています。

人的支援は大変ですが、行く人も燃えます。
迎え入れる国での心のつながりができます。
頑張る人がいれば、お金より、
どんどん人を送り出すほうが、
いいに決まってます。
(中国の地震援助でレスキューチームが出発しましたが、事故のないようにがんばってください。
金銭的な援助も決まったようですが、当然、人的支援のほうが世界にも中国人にもアピールできるでしょう。)

国際社会での戦略的ODAは複雑です。
ホントは世界でODAが何番になったというのが問題ではなくて、
助けたいか助けたくないか。
結局、それにつきるでしょ。

貧困の国々で頑張っている
NGO団体は日本にもい~ッパイあります。
政府のお金が絡んでいないからNGOなんですが、
ODA予算の一部でもNGOにまわせば、
生き金
になって、ODAの何十倍も有効な使われ方をするのにね。
残念です。

みなさんはいかが思いますか?




めでたくありませんが、今日誕生日です

カテゴリー │生活

いつのころからでしょうか?
誕生日があまりうれしくなくなったのは。
20歳代までかな?うれしい内が、華ですね。
とにかく、今日で44歳。
とっくに人生の折り返し地点を過ぎていますが、毎日やり残した気分になります。

やりのこしがない人生を送るべく、日々頑張っているのですが不安感が伴います。
20・30歳代では理解できない、焦燥感なのです。

家内にもよく話すのですが、
いってきま~す。
と、家を出たっきり帰らぬ人になることは、世の中日常茶飯事です。
だから、
怒りを溜め込まないで下さい。

いつも笑顔で、気分よく
朝目覚め、
家を出て、
仕事をして、
勉強をして、
買い物をして、
食事をして、
一家団欒を過ごして、
眠りにつく。

子供のことも、家庭のことも、世間の問題も、政治の世界も、
世の中不安なこと、怒れることはいろいろありますが、
いつ死ぬかわからないんですから、気分よく過ごしたいものです。

44歳。
あといくつ生きられるのでしょうか?

神のみぞ知る。




大相撲番付表を眺めてこんなこと考えました

カテゴリー │生活

仕事が終わって、新聞を読んでいました。
何気に、大相撲の番付表をみていたら・・・。
両横綱を筆頭に、42名の幕内力士のうち15名
約3分の1が外国人です。

ご存知でしたか?
私は数えてみて初めて知ったので、ビックリ。
横綱の品格など色々お騒がせな相撲業界ですが、
コレだけ外国人が多いんですから当たり前でしょう。

コレからますます外国人が活躍することは目に見えています。
『国技』という考え方が古くなっているのでしょうが、
日本人に活躍してもらいたくても、根本的に体格・根性が違うので、
国際社会の現代では非常に難しい問題になっていくでしょう。
柔道部出身の私は、私が学んでいた頃の武道としての柔道と、
国際ルールのスポーツとしての柔道とのギャップに悩んでしまうことに共通します。

日本人の精神社会は、ぜひとも残さないといけないでしょう。
国際社会になればなるほど、日本人でよかったと思えるよりどころとして、
ますます精神道は重要になってくるのだと思います。

番付表を眺めつつ・・・。

大相撲番付表はコチラ




せっかくのオファーですが・・・

カテゴリー │生活

本日、朝日テレビの製作?の人からすばらしいオファーがありました。

家のルナちゃんは、散歩にでると缶やペットボトルを拾わないと気がすまない性分です。
それを、ネットで見たTV関係者が、
『エコ』をテーマにした番組へのルナちゃん出演依頼です。
どこぞに連れて行き、タレントさんと缶拾いさせようという企画だそうです。

「すばらしい、ぜひどうぞ。」
といいたいところでしたが、家のルナちゃん散歩のしつけができていません。
缶を見れば、猪突猛進。
引きずられるのを覚悟で散歩しなくてはいけないのです。
タレントさんに怪我をさせてしまったら申し訳ないし、
どこぞに連れて行ったら、それだけでも興奮状態で手に負えなくなるのは目に見えています。

まことに残念。
もう少し頑張ってしつけておけば、
TVに出演して、一躍スターだったのに・・・。

しょうがないですね。





お祭りでも病気の動物は戦ってます

カテゴリー │先天性疾患

大型連休も本日で終了ですね。
みなさん、いかがお過ごしだったでしょうか?

今年の浜松祭り、
昨日は最終日だというのに、あいにくの雨がふり、多くの方ががっかりしたことでしょう。
雨が降っても夜中まで練りが続いたのはご存知のとおり。
みなさん完全燃焼できたでしょうか?

お祭り騒ぎのなかで、毎日病気と戦う動物たちも当然います。
本日来院された患者さんは
『門脈体循環シャント』
という、難しい病気が疑われました。

腸管からの栄養が多く含まれた血液を、肝臓に運ぶ血管を門脈といいます。
肝臓では腸管からの栄養の受け渡しや、アンモニアなどの毒物を解毒して体循環に血液を送り出します。
門脈の血液が、肝臓を経由せず静脈に接続し体循環に入ってしまう状態を
『門脈体循環シャント』といいます。
先天的にも後天的にも起こります。
アンモニア濃度・総胆汁酸濃度・超音波やレントゲンの肝臓所見で
ある程度診断ができる病気ですが、
確定診断は、血管造影をレントゲンやCTなどを用いて行うことができます。
本日の患者さんも、内科治療で戦いながら確定診断を行う予定です。
この病気は、治すには手術するしかありません。
内科治療をしていても、病気は確実に進行してしまうのです。
手術しても治らない場合も多くあり、術後容態が急変する場合も多くあるのです。
そのため手術適応か否かという診断が一番重要になります。
確定診断後の決断が最も難しくなるでしょう。

がんばって生きましょう。