口蓋裂

ルナ動物病院

2012年01月27日 18:56


本日は口蓋裂のお話。

口蓋裂は生まれつき上あごに穴が開いた状態で生まれ、ミルクも飲めず、手術ができる月齢に成長することすら難しい先天性疾患です。
たとえ成長しても、くしゃみ鼻水の慢性呼吸器症状で日常生活は苦しいものとなります。

そんなかわいそうな猫ちゃんが来院しました。
他院で5回手術しても治らなかったということです。
シャーシャー猫ちゃんなので、麻酔をかけて診察すると・・・
最初のサイズは不明ですが、現在では小さな小さな口蓋裂なんです。
思わず縫合してみたくなり、定法どおり手術してみましたが・・・

なんていうことでしょう、3週間後には元通りです・・・
他院で5回も手術したくらいのツワモノ、通り一遍の方法では無理なのね~
食塊や舌の刺激などの様々な要素が考えられますが、なぜココなんでしょう?
機会があれば外科専門医に『なぜ?』を、質問しようと思います。

多くの外科医のチャレンジがむなしくなる、この部分の難治性口蓋裂では、
『口蓋キャップ』が考え出されました。
ごらんのような、柔軟性のある素材で口蓋裂の蓋を作成します。
この猫ちゃんもこの蓋を作成し装着したところ、
鼻水はピタッと止まり、現在では薬も必要なく快適な生活を送っております。

しばらくすればゴムは硬化し、穴のサイズも変わり、ずれたり外れたりするでしょう。
清書では2年も装着したままの猫ちゃんがいたらしいのですが、いつまでもつかな~
その時までに、難治性口蓋裂の手術法を身につけたいんですが・・・
毎日が勉強です。
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