骨髄ろう

ルナ動物病院

2007年11月08日 20:28

この病名を聴いたことがある方は少ないでしょう。
骨髄といえば骨の真ん中、血液を作るところです。
白血病での骨髄移植が有名ですね。
骨髄ろうという病気は、簡単にいうと骨髄がなくなっちゃう病気です。
骨髄がなくなると当然血液の細胞が足りなくなり、
赤血球減少(貧血)・白血球減少・血小板減少
など血液の重要な成分すべてが足りなくなります。
重要な血液成分がなくなるので、当然元気がなくなり死亡する病気です。
感染症・薬の副作用・ガン・免疫介在性など原因は様々で、予後が悪いものが多い病気です。
血液検査・骨髄検査で診断しますが、治療が大変です。
免疫抑制療法・サイトカイン療法・輸血などの支持療法を行い、ガンであれば抗がん剤で原因を直接叩いていきます。
しかも、どの治療も高価な費用がかかるため、飼い主様と予後を十分話し合い、治療にかからないとトラブルの元になります。

このような難しい病気の猫ちゃんが本日来院しました。
インフォームドコンセント(病気の説明)だけで1時間はかかり、治療開始しましたがかなり予後は難しそうです。
ぜひ回復していってもらいたいです。

このような難しい病気は、人ならば無菌室を備えた総合病院で、骨髄移植などの高度医療を視野に含めた治療をしていくのでしょう。
残念ながら動物病院はそのような専門科の区別なく、なんでも治療していかなくてはいけません。
都会では、大学病院も近くにあり、高度医療・二次診療も当たり前になりつつあります。
当院でも、高度医療が可能な施設に紹介したい、難しい病気はよくあります。
近くに今後そのような施設ができるように期待しつつ、
今日も苦悩が続くのでした。





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