『光線温熱化学療法』+『酸化医療』

ルナ動物病院

2019年06月07日 19:39

軟部組織肉腫の『コテツ』ちゃんです。
頭頂部にしこりをみつけたのが半年前、バイオプシー検査で『軟部組織肉腫』と診断されました。
レントゲン検査で頭頂骨に浸潤していたため、外科手術だけですべて切除することができません。
コテツちゃんも、手術して2カ月後には元の大きさまで再発しました。
根治は不可能な状態なため、
今は緩和治療(代替医療)として2週間に1回麻酔をかけて、
『光線温熱化学療法』+『酸化医療』を実施しています。

『光線温熱化学療法』とは
緑色の肝機能検査薬インドシアニングリーン(ICG)、PH調整液、エタノール、抗がん剤を腫瘍内に注射し、外部より近赤外線光を照射、43℃20分間加熱します。

光線力学的作用として、活性酸素によるがん細胞のアポトーシス(自然死)、虚血性壊死、免疫細胞の活性化作用を期待します。
温熱作用は、43℃前後で死滅するがん細胞(正常細胞は45℃まで耐えます。)の特性を利用し、がん細胞のアポトーシスを誘導します。

『酸化医療』によって、
体内の酸素が行き渡らない虚血部位の酸素化(腫瘍部分)、.血液流動性の改善による末梢循環の改善、免疫機能の向上、細胞を活性化することによってATP産生の増加、SOD等の上昇で抗酸化力を向上、アンチエイジング効果でQOLの維持に期待します。

『酸化医療』の一つとして、
コテツちゃんには『オゾン療法』を実施しています。
コテツちゃん自身の血液とオゾンガスを混ぜ合わせ、反応させた血液を再び体内に戻す治療です。

このようなオゾン血液療法の他にオゾンガスを肛門から注入する注腸法が実施されます。
小動物では血管の侵襲性の低くく痛みを伴わないため『オゾン注腸法』が多く実施されています。

コテツちゃんの腫瘍は徐々に大きくなっているけど、食欲は維持され体重は変わりません。
最後までがんばれ~
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