ワクチン接種は恐いんです

ルナ動物病院

2008年09月18日 18:45

コメント数、閲覧数がともに多いこの記事の補足です。
ワクチン接種によって助かる命が多いことも事実です。
ワクチン接種をむやみに恐れたり悪いものだとかんがえず、
主治医の先生と相談し必要であれば接種しましょう。
わが子である動物の健康に責任をもつことが必要なんです。



ワクチン接種は病気を駆逐し、病気にならないためには必要なんですが、
ワクチン接種後、具合が悪くなったり死亡したりするケースがあることを知ってますか?

当院では、ワクチン接種は午前中のみ、
接種前にワクチンの注意事項を読んでもらい、
接種後も30分間病院に待機していただきます。
こうしたことは、皆様には不評で、
『早く帰りたいんだけど』と、クレームを受けることは度々です。
しかし、動物が死んでからでは遅いのです。
どのメーカーでも副作用は見られ、死亡するケースもあります。
当院では、各メーカーの犬ワクチン5種類、猫ワクチン2種類を使い分け使用していますが、
それでもいつもハラハラです。
こうした対応になって、みなさんすみません。
安全で絶対副作用がないワクチンが開発されるまで我慢してください。

最近、私のブログの掲載許可の確認をされた方がいました。
この方は、ワクチン接種後に猫を亡くしたそうです。

ワクチン接種による副作用で一番怖いのが、
アナフィラキシーショックです。
接種後、数分から数時間以内に発症します。
ハチに刺されて死亡するとか、そばを食べて急死したとかニュースで騒がれますが、そのような即時型アレルギー反応のことをいいます。
接種後数時間で起きる反応が、Ⅳ型アレルギーといわれる非即時型反応で、顔面腫脹・痒み・蕁麻疹・嘔吐・下痢のほか発熱やそれによる食欲不振なども一時的に見られます。

実際の副作用だけではなくて、他の病気を誘発する場合もあるので気をつけなければいけません。

私が以前体験した猫ちゃんは、
ワクチン接種後、翌日から発熱し食欲・元気が消失、徐々に衰弱し1週間後死亡しました。
飼い主様の許可をいただき、検死解剖をさせていただいたところ、
メラノーマという悪性腫瘍で死亡したことがわかりました。
この猫ちゃんはワクチン接種前に健康そうに見えたのですが、すでにがん細胞に犯されていた状態だったのでしょう。
ワクチン接種をしたため免疫が低下し、それによってがん細胞が活性化し死亡したと判断せざるを得ませんでした。

つい最近友だちの病院で手術した猫ちゃんは、ワクチン接種部位肉腫になってしまいました。
この猫ちゃんは、外傷もなくワクチン以外の注射は接種されていません。
可能性は3種混合ワクチンのみです。
この肉腫は悪性なので、この腫瘍が原因で亡くなる場合も少なくありません。
死亡した根本原因はワクチンということになってしまいます。

このような恐ろしいワクチンをなぜ接種しなくてはいけないのでしょうか。
ワクチンの副反応を超える、病気抑制効果を期待しているからにほかなりません。
発病したら100%死亡する狂犬病も、ワクチン接種によって駆逐できたのです。
狂犬病ワクチン以外は義務はありません。
飼い主様個々の考えで、ワクチン接種するといいでしょう。

先日も、猫ちゃんがワクチン接種後に具合が悪くなったと来院しました。
当院で接種していないので、ワクチンの種類を伺ったところ、
猫1匹しかいない家庭で、室内飼いの外に出ない猫ちゃんに5種混合ワクチンが接種されていました。

5種混合ワクチンを接種したネコちゃんの約50%は発熱したり副反応を伴います。
猫白血病ウィルスは唾液や体液に接触しなければ感染しません。
飼い主さんがこうしたことを知っていれば、おのずとワクチンの選択も違ってくるでしょう。
ワクチンの副反応を含めた説明がない病院も今時珍しいのですが、飼い主さんも正しい情報を知ることで、
ワクチンによるトラブルはおこらなくなってくるでしょう。

インフォームドコンセントは病気の治療以外でも必要なんです。


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