毎年恒例、フィラリア予防はいつからやってますか?

ルナ動物病院

2009年05月09日 18:04

予防シーズン真っ只中。

国内で販売されているフィラリアの薬は、
予防薬と呼んでいますが実は駆虫剤です。
飲んでから持続する薬ではなく、
飲むことによって、感染した寄生虫を1ヶ月前までさかのぼって殺すことができます。
例年浜松での感染開始は5月10日前後で、感染終了は11月初旬です。
(地域によって外気温がことなるのでご注意下さい。)

理論的にはおそくとも6月10日までに投薬開始し、12月初旬まで月1回の投薬が必要になります。
当院では余裕を持って、
フィラリア予防は5月末から11月末までの7回
をおすすめしています。
持続性のない薬を5月初めに飲ませるのは、何のために投薬しているのかわからなくなります。
毎年予防開始が早く、心配性で4月から始めたがる方もいますがいかがなものでしょうか。
フィラリアは蚊に刺されることで感染する伝染病です。
すべてのワンちゃんが予防すれば、フィラリア症はなくなります。
そのため近年都心部では、フィラリア症はすでに過去の病気になっているようです。
しかし浜松では、フィラリア感染のワンちゃんは身近に潜んでいます。
実際当院でも、予防をしていないワンちゃんで年間2~3頭陽性になっています。
心臓・肺血管内に寄生する虫なので、発病すると苦しみながら死亡します。
とってもかわいそうで見るに耐えられません。

つい最近も、抗原検査で陽性のワンちゃんがいました。
そのワンちゃんは昨年も予防をしていて、
しかも毎年血液検査実施し、昨年も陰性だったのです。
治療を始めるにあたり、
確認するため検査センターでより精度の高い検査を実施し、
やはり陽性の結果でした。
それでは、なぜこのワンちゃんは感染してしまったのでしょうか?

毎年予防をしていても、
開始が7月になったり、9月で予防を止めてしまっていたのです。
もったいない話しですね。
せっかく検査まで行い、予防もしているのに、
きっちり予防期間を守らなかったので、感染してしまったのです。
くれぐれも予防期間をお忘れないようにお願いします。

フィラリア予防はワンちゃんを飼育する限り、
狂犬病ワクチン接種と同じくらい義務化していただきたい予防なんです。

飼い主さんは月1回の予防をなぜしない?
なぜ忘れる?
苦しむのはワンちゃんなんですよ。
この病気を知っていてきっちり予防しないのは、
動物虐待に近い犯罪に見えてしまいます。

フィラリア予防開始のための血液検査は済みましたか?
当院ではフィラリア抗原検査だけでなく、
内臓の血液検査も一緒に行うようにおすすめしています。
話すことができない動物の、年1回最低限の健康管理は長生きの秘訣ですよ~。
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