会陰ヘルニア

ルナ動物病院

2012年03月19日 19:58

左側会陰ヘルニア手術が終わった直後の写真です。
会陰ヘルニア
http://lunahp.hamazo.tv/e2861836.html
以前も掲載したので、ご覧になった方もいるでしょう。
症状は排便障害。
ウンチが出にくくなり『何でだろう~』と思っているうちに肛門横が腫れてきます。
早期発見・早期手術しか治療法はありません。
内科治療で維持したり、経過が長くなるほどお尻まわりの筋群が薄くなり手術しても再発が多くなります。

当院では転院症例しかないほどまれな病気なんですが、なぜだかわかりますか?
大切なことは、予防できる病気だってことです。
会陰ヘルニアや前立腺肥大、肛門周りの病気は去勢手術が予防法となります。

当院では積極的に去勢手術をおすすめしているので、発症が少ないのでしょう。
同じ理由で、乳がんや子宮・卵巣疾患も転院や救急がほとんどです。

このワンちゃんは経過が長かったので、
会陰ヘルニア手術、去勢手術とともに開腹して直腸の腹壁固定も施しました。
ところが手術後1週間で、右側も会陰ヘルニアになってしまったのです。
そこで、右側手術を左側手術1ヵ月後に実施しました。
経過が短いため肛門挙筋も内閉鎖筋もはっきりわかります。
早期発見・早期手術は、手術もやりやすいことがよくわかりました。
会陰ヘルニア手術は再発が非常に多い手術です。
それは、内科治療で維持することも要因なんでしょう。
再発手術は大変なので、
今回も内閉鎖筋だけでなく浅でん筋も利用しヘルニア孔を閉鎖しました。
これで再発したら、インプラントにするしかないでしょう。
無事に治まってくれることを祈るばかりです。
去勢手術で予防できるかもしれません。
まだ手術していないワンちゃんは、ぜひご検討ください。
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