ルナ先生日記

ところが、深夜から後肢麻痺が始まってしまったのです。
痛覚はまだ残っているので、
内科治療だけで６０～７０％の治癒、
24時間以内の外科治療で８０～９０％の治癒が望めます。
これは、外科手術しなくても、７０％が治る見込みがあり、
手術しても１０％の症例は車椅子の生活になってしまうということです。

必要なのは、緊急性を要する決断です。
まだお若い飼い主様でしたが、少しでも％をあげるために、即座に手術を決断されました。

次に選択していただくのが、当院で行うか、専門病院で行うかです。
専門病院は名古屋にあります。
大きな違いは、経験値、治癒率です。
少なくとも当院で行う椎間板手術は、年間片手で足ります。
専門病院での症例数は不明ですが、当院の比ではないでしょう。
治癒の％も違うでしょう。
専門病院は、費用も私の病院以上にかかるはずです。

費用面、距離的な問題で当院を選択される方もいますが、
飼い主様は、やはり治癒の％を少しでも高めるために専門病院を選択されました。

専門病院は午後1時までが診察時間です。
後は、事故がないように、間に合うように急いで名古屋に行っていただくだけです。
当院からも連絡し、専門病院に予約をとっておきました。

夕方、飼い主様から連絡がありました。
12時半、なんとか診察時間に間に合い、
午後4時から手術を行い、無事終了したということです。

スピーディです。
椎間板手術の理想的な早さですね。
当院だったら、診察が終了した今頃から準備に入り、造影検査、手術で終わるのは夜中すぎでしょう。
専門病院では午後すべてが手術時間で、ＣＴもあり、術部の確定、手術へスムーズに行うことができます。
この違いがすべてではないでしょうか？

飼い主様も大変喜ばれていて、一安心です。
治癒率は８５％といわれたそうです。
１５％は治らないことを意味するのですが、少なくとも当院で行うよりはいいに決まっています。
後は神に祈りましょう。