ルナ先生日記

浜松市中区佐藤にあるルナ動物病院 院長のブログです。 動物病院の先生は日頃こんなこと・あんなことを感じています。 ぜひおたのしみください。

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『動物にやさしく、人にやさしい、あたたかな病院』をモットーに、スタッフ一同努力してます。
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猫無痛性潰瘍

カテゴリー │皮膚疾患

久しぶりに病気の投稿です。(獣医師らしい投稿もたまには必要でしょ。)
猫ちゃんの唇が腫れ上がり無残にタダレ、
いかにも悪性の病魔に侵されているようです。
でもこれは『無痛性潰瘍』と呼ばれる猫ちゃん特有の炎症反応、
細胞診で好酸球を主体とする炎症細胞が多く観察できました。
アレルギーで発症するといわれますが、原因不明であることが多いようです。
とても無痛に見えないむごたらしい状態ですが、
猫ちゃんは痛がらず食事を食べることができるので無痛性と呼ばれるのでしょう。
この猫ちゃんはステロイドを投薬し2カ月間で完治しましたが、
原因不明の疾患なので再発することもあるでしょう。
実はこの猫ちゃん、
他の病院でステロイド治療を受けても症状が改善しないという事で来院されたのですが・・・
治療内容は変わらないのに何故なんでしょう?
おそらく投薬量の問題だと想像したのですが、ちっとも改善しなかったというのが不思議です。
いづれにしても猫ちゃんはこのように潰瘍を呈する皮膚炎で非常に治りにくい疾患もあり、
悪性腫瘍の場合もあるので鑑別診断には注意が必要ですね。




外耳炎

カテゴリー │皮膚疾患


これはモニターに映し出した外耳道内の鼓膜前の汚れ、
獣医さんが耳の穴に耳鏡を突っ込んで見ている景色、
「ミミガヨゴレテイルカラチリョウシマショウ」
汚れがないのが正常なので、耳の治療が必要になります。

耳を洗浄して汚れを取ると耳道が赤くなっていて外耳炎がよくわかります。
外耳炎はわんちゃんに非常に多い疾患ですね。
原因として多いのがマラセチア(酵母菌)や球菌、
どちらも体のあちらこちらに常に住んでいる常在菌です。
基礎疾患にアレルギーがあって繰り返し発症し慢性化する事も多いのですが、
中途半端の治療で慢性化するため、
主治医が治療終了と太鼓判を押すまで頑張って治療しましょう。





いろいろなアレルギー

カテゴリー │皮膚疾患

アレルギーにはいろいろあります。
このワンちゃんは、アレルギー反応で顔全体がむくんでいます(ムーンフェイス)。
食物、虫刺、薬剤、吸入物、植物など何が原因かわからないこともありますが、このワンちゃんはワクチン接種に発症したワクチンアレルギーでした。
顔が腫れた後、吐き気や、下痢の症状が続く場合もあり、全身に痒みの伴う蕁麻疹が出ることもあります。
急激なアレルギー反応は生死にかかわるので、当院ではワクチン接種後30分は院内待機、帰宅しても少なくとも24時間は注意が必要です。
このように睾丸だけが2倍に膨れたこともありました。
原因不明で他に症状がなかったため病理検査を実施するとアレルギーの反応が疑われました。
微量なステロイドだけで症状を抑えることができ、現在は食事を変更して再発しておりません。





疥癬症・耳ダニ・毛包虫(寄生虫による皮膚炎)

カテゴリー │皮膚疾患

動物の皮膚につく寄生虫は、皮膚炎だけでなく全身状態を悪化させる病気を伝搬したり人へ感染させる場合もあるので注意が必要です。
寄生虫は目に見える大きさのものから、顕微鏡で検査しないとわからない大きさのものから様々です。
このネコちゃんは全身の痒み・かさぶた・脱毛の症状がありました。







真菌症(カビによる皮膚炎)

カテゴリー │皮膚疾患

カビの感染による皮膚炎を真菌症といいます。
野良ちゃんだけでなく、ペットショップから購入された猫ちゃんも多く発症します。
典型的な症状は、耳介部や鼻先の脱毛やフケやかさぶたですが、この猫ちゃんは全身のフケで来院しました。
診断は顕微鏡検査や培養検査、最近では遺伝子検査で確定します。
培養検査でこのように赤く変色すると陽性、全身毛刈り・薬用シャンプー・抗真菌薬の内服で治療します。
実はこの真菌症、皮膚病変が無くなっても検査が陰性になるにはかなり長期間の治療が必要になります。
特に多頭飼いだと根治が難しく、カビがすべての動物に感染し環境中にばらまかれるためです。
人間も感染するのでご注意ください。
人の症状は赤いリング状の皮膚炎でとても痒いのが特徴です。
速やかに人間のお医者さんを受診し、猫ちゃんが真菌症だといえば確定診断が早くなります。





膿皮症(細菌感染による皮膚炎)

カテゴリー │皮膚疾患

動物の皮膚炎のほとんどが感染症であり、
最も多いのが細菌感染が原因でおきる膿皮症でしょう。
このワンちゃんは外耳炎・下顎から下腹全体四肢までつづく皮膚炎があり、発赤・掻痒・痂皮・脱毛がおきています。
脇・内股は特に皮膚が肥厚していました。
検査結果は細菌感染とマラセチアの混合感染です。
基礎疾患でアレルギーの関与があるかもしれませんが、まず感染をコントロールします。
膿皮症治療の基本はシャンプー療法と3~4週間の抗生剤内服です。





マラセチア性皮膚炎・外耳炎

カテゴリー │皮膚疾患

マラセチア性皮膚炎やマラセチア性外耳炎のマラセチアとは酵母菌で、一般的に健康な動物の皮膚にも存在します。
それが過剰増殖して皮膚炎の原因となります。
このワンちゃんはボランティアの方に保護された迷子犬ですが、毛が伸び放題、皮膚はボロボロです。








AlopeciaX(アロペジアX)

カテゴリー │皮膚疾患

原因不明の脱毛症『AlopeciaX(アロペジアX)』
カッコイイ名称ですが治療が難しい疾患です。
ポメラニアンの雄に多く、健康状態の異常はなく、脱毛だけが進行する病気です。
このポメちゃんは5歳で発病しました。





犬疥癬症

カテゴリー │皮膚疾患

数年ぶりに『犬疥癬症』のワンちゃんが来院しました。
このわんちゃんは、3月から痒がりはじめ、8月から症状が悪化してきたそうです。
脱毛が激しく、肌はボロボロ、見た目はかなり重篤な皮膚病です。
しかし、駆除剤を使えばあっという間に完治しちゃうんです。
皮膚検査で診断がつけばスムーズに完治させることができるので、簡単な病気の一つといえるでしょう。
しかし、検査をしても検出できない場合もあります。
そんな場合、動物の症状が疑わしければ診断的治療を実施します。
しかも、疥癬症が人に被害をもたらすことも知っているので、ワンちゃんの痒みがひどく人にも症状がある場合は疥癬症を強く疑うことが出来るのです。
ここがポイント。
獣医師は、飼い主様にも痒みがないか必ず確認するのです。




『これなんでしょう?』のその後

カテゴリー │皮膚疾患


猫ちゃんの、両方のかかとがハゲて赤くなっています。
極めて健康状態は良好な、元気な猫ちゃんです。
感染症はなさそうです。

迷獣医は
ハンモックの寝床でこすれていたため
と診断し、ハンモックの撤去をお願いしたのが一ヶ月前のことでした。

今回ワクチン接種で来院されたので、
かかとの状態をチェックすると・・・