2010年03月05日18:41
このワンちゃんは昨日手術したワンちゃんではありません。
このように目の下の頬が腫れていたり、出血している場合多い原因が外歯婁です。
診察するときこのワンちゃんが凶暴でかむようならば、
診察するだけで麻酔が必要になるのです。
飼い主様がしつけなかったばかりに、麻酔と無駄な出費がかかるのです。
口の中だけでなくどこを触っても嫌がらないようにしつけることが、
いかに大切であるかお分かりになるでしょ?
このワンちゃんは凶暴性はなく、歯をしっかり見ることができ原因がすぐわかりました。
このワンちゃんの外歯婁の原因は、歯の破損(破折)です。
プラスチックのおもちゃや爪など犬用の噛む製品でもおきるので油断ができません。
歯が破損した部分からばい菌が侵入し、歯の根元(根尖部)が化膿して腫れたり、自壊して排膿・出血するのです。こうしたことは歯槽膿漏でも発生します。
昨日のワンちゃんは、2年前から繰り返しホッペに穴が開き、
その度に歯槽膿漏によるものと診断し抗生物質で治療していました。
ばい菌による化膿なので抗生物質でよくなりますが、約半年ごとに再発してしまうのです。
手術をおすすめしていましたが、高齢なことと費用のことで悩み、3度目に穴が開き飼い主様はようやく決意できたのでした。
破折の損傷直後ならば、人間の歯医者さんのように歯冠形成すればいいのです。
しかし外歯婁の場合は感染症を起こしているので、
抜歯するしか手段がなくなります。
抜歯すればこのようにきれいな状態になり、再発することもなくなります。
ホッペに穴が開くのは外歯婁です。
歯に起きた感染症が鼻の中に通じてしまうのが鼻腔内歯婁です。
通常犬歯の根元部分は鼻の穴の下の骨に接しています。
そのため犬歯におきた破折や歯槽膿漏で感染症がおきると、鼻腔に血膿がでてくるのです。
こうした場合も抜歯するしかないのです。
犬歯はほっぺたを内側から持ち上げているため、犬歯を抜歯するとおじいちゃんやおばあちゃんのように頬がコケますが、毛が豊富な動物ははあまり目立たないのでご安心ください。
また犬歯や前歯を抜くと、舌のおさえがなくなりペコちゃんのようにアッカンベーすることもあります。
犬歯を抜いた後は鼻とつながる巨大な穴があくため、
粘膜を移植しふさがなくてはいけません。
こうした口鼻婁管は自然と抜けおちた犬歯のあとにもよくみられます。
穴が開いた状態では、食べたものや飲んだ水が鼻に入ってしまうので、慢性の鼻水・くしゃみが出ることになります。
「歯を抜いて大丈夫ですか?」とよく質問されます。
犬や猫はヒトと違い口腔内で食べ物を咀嚼しません。
唾液にも消化酵素を含まないため、
獲物を捕らえ、骨を砕き、肉を切り裂き、丸呑みするのが口の役割です。
歯がなくても、人に飼われている限り何の不自由もせず、健康状態にも関与しないのです。
歯石はばい菌のかたまりです。
歯石の蓄積したばい菌だらけの歯があるほうが、
敗血症や心内膜炎、肝膿瘍、腎膿瘍など、
自身の健康状態を危機的なものにしているはずなのです。
それ以上にこうした口でベロベロ舐めさせる行為は自殺行為です。
特に糖尿病などの免疫低下を起こしている飼い主様への健康被害は、
計り知れないものになるでしょう。
ホッペに穴が開く外歯婁・鼻から出血の鼻腔内歯婁
カテゴリー │歯科・耳鼻咽喉科
昨日行った歯科処置は3時間以上の大手術。
噛み付くため歯磨きができず13年間も放置。
歯石が重度付着し、
内歯婁・外歯婁ともにおきるほど歯槽膿漏が悪化していました。
歯槽膿漏によってもともと抜け落ちてしまった歯もあり、
結局19本もの抜歯が必要で費用は5万以上かかりました。
小さい時から歯磨きの習慣をつけることができていれば、
こうした無駄な出費はしなくて済むのです。
このような高齢になって全身麻酔で命をかけ、
何万もの費用もかけるなんて馬鹿らしいことだと思いませんか?
噛み付くため歯磨きができず13年間も放置。
歯石が重度付着し、
内歯婁・外歯婁ともにおきるほど歯槽膿漏が悪化していました。
歯槽膿漏によってもともと抜け落ちてしまった歯もあり、
結局19本もの抜歯が必要で費用は5万以上かかりました。
小さい時から歯磨きの習慣をつけることができていれば、
こうした無駄な出費はしなくて済むのです。
このような高齢になって全身麻酔で命をかけ、
何万もの費用もかけるなんて馬鹿らしいことだと思いませんか?
このワンちゃんは昨日手術したワンちゃんではありません。
このように目の下の頬が腫れていたり、出血している場合多い原因が外歯婁です。
診察するときこのワンちゃんが凶暴でかむようならば、
診察するだけで麻酔が必要になるのです。
飼い主様がしつけなかったばかりに、麻酔と無駄な出費がかかるのです。
口の中だけでなくどこを触っても嫌がらないようにしつけることが、
いかに大切であるかお分かりになるでしょ?
このワンちゃんは凶暴性はなく、歯をしっかり見ることができ原因がすぐわかりました。
このワンちゃんの外歯婁の原因は、歯の破損(破折)です。
プラスチックのおもちゃや爪など犬用の噛む製品でもおきるので油断ができません。
歯が破損した部分からばい菌が侵入し、歯の根元(根尖部)が化膿して腫れたり、自壊して排膿・出血するのです。こうしたことは歯槽膿漏でも発生します。
昨日のワンちゃんは、2年前から繰り返しホッペに穴が開き、
その度に歯槽膿漏によるものと診断し抗生物質で治療していました。
ばい菌による化膿なので抗生物質でよくなりますが、約半年ごとに再発してしまうのです。
手術をおすすめしていましたが、高齢なことと費用のことで悩み、3度目に穴が開き飼い主様はようやく決意できたのでした。
破折の損傷直後ならば、人間の歯医者さんのように歯冠形成すればいいのです。
しかし外歯婁の場合は感染症を起こしているので、
抜歯するしか手段がなくなります。
抜歯すればこのようにきれいな状態になり、再発することもなくなります。
ホッペに穴が開くのは外歯婁です。
歯に起きた感染症が鼻の中に通じてしまうのが鼻腔内歯婁です。
通常犬歯の根元部分は鼻の穴の下の骨に接しています。
そのため犬歯におきた破折や歯槽膿漏で感染症がおきると、鼻腔に血膿がでてくるのです。
こうした場合も抜歯するしかないのです。
犬歯はほっぺたを内側から持ち上げているため、犬歯を抜歯するとおじいちゃんやおばあちゃんのように頬がコケますが、毛が豊富な動物ははあまり目立たないのでご安心ください。
また犬歯や前歯を抜くと、舌のおさえがなくなりペコちゃんのようにアッカンベーすることもあります。
犬歯を抜いた後は鼻とつながる巨大な穴があくため、
粘膜を移植しふさがなくてはいけません。
こうした口鼻婁管は自然と抜けおちた犬歯のあとにもよくみられます。
穴が開いた状態では、食べたものや飲んだ水が鼻に入ってしまうので、慢性の鼻水・くしゃみが出ることになります。
「歯を抜いて大丈夫ですか?」とよく質問されます。
犬や猫はヒトと違い口腔内で食べ物を咀嚼しません。
唾液にも消化酵素を含まないため、
獲物を捕らえ、骨を砕き、肉を切り裂き、丸呑みするのが口の役割です。
歯がなくても、人に飼われている限り何の不自由もせず、健康状態にも関与しないのです。
歯石はばい菌のかたまりです。
歯石の蓄積したばい菌だらけの歯があるほうが、
敗血症や心内膜炎、肝膿瘍、腎膿瘍など、
自身の健康状態を危機的なものにしているはずなのです。
それ以上にこうした口でベロベロ舐めさせる行為は自殺行為です。
特に糖尿病などの免疫低下を起こしている飼い主様への健康被害は、
計り知れないものになるでしょう。