ルナ先生日記

浜松市中区佐藤にあるルナ動物病院 院長のブログです。 動物病院の先生は日頃こんなこと・あんなことを感じています。 ぜひおたのしみください。

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『動物にやさしく、人にやさしい、あたたかな病院』をモットーに、スタッフ一同努力してます。
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ルナ

カテゴリー │病院からお知らせ

ルナ
病院の看板娘ルナが死んじゃった~。
享年12歳3ヶ月。

ちょうど1週間前のことです。
その日の朝も私と一緒に、
いつもどおり散歩をして、
いつもどおり元気よく朝食を食べ、
いつもどおりの日常が始まったはずだったのですが・・・

私が自宅を出て1時間後、
具合が悪そうだと母から連絡をうけ、すぐに連れて来てもらいました。
自分の足で歩ける状態ではありません。
肝臓の粟粒性の腫瘍病変と腹水を超音波で確認。
腹水は出血で、急激な失血のための虚脱でした。
出血量がかなり多いため、その日の昼に開腹・止血する計画をたてました。
そして具合が悪くなり3時間後、手術準備している間の死亡。
輸血するまもなく逝っちゃいました。

あっけないもんです。

獣医師である私ですら茫然自失。
皆さんの身の上に同じようなことが起きれば、すぐには死を受け入れることができないでしょう。
我が母親も、死んで冷たくなった体を前に『何で?』を繰り返します。

剖検により、死因は肝臓腫瘍病変からの失血死と診断しました。
そして脾臓と肝臓病変を病理に出したところ、血管肉腫の検査結果が本日かえってきました。

当日開腹手術できたとしてもおそらく術中死。
脾臓なら摘出で事が足りますが、肝臓の多発病変で止血できる状態ではなかったでしょう。
うまく止血できたとしても、予後不良だったことは明らかです。

超音波検査をしていたら、早期発見ができたかもしれません。
しかし、敵は多発性の血管肉腫。
早期発見できても、早期治療の効果は・・・
それほど予後が変わらないことも知っています。

毎日わたしは獣医師として動物を診察し、その報酬として皆さんからお金をいただき生活していています。
『癌の末期でも寿命を少しばかり延ばし、飼い主様がお別れする時間を作りたい!!』
と日夜がんばっているんです。
つい先日も、脾臓の血管肉腫のワンちゃんを手術したばかりです。
腫瘍からの出血でふらふらしている状態で来院しましたが、
輸血しながらの手術は無事成功、今は元気に散歩しています。

しかし一番大切な愛犬を、その業を発揮するまもなく見送りました。
因果なもんです。

『生死なんて所詮そんなもんだよ、お父さん・・・。』
と、
ルナが自分の命をかけて教えてくれたかのようです。
私は最後のメッセージを受け、
獣医師として、もう一段階ステップアップしなくてはいけませんね。

しかし、あまりにも突然の死。
獣医師である私が、死亡する瞬間までその病気の進行に気がつかなかったのです。
未だに、もんもんとした夜が続きます。

お休みしていましたが、震災が起きてからの現在までのルナの活躍です・・・
ルナは最後まで『わんパト』&『エコ犬』してたんですよ~
ほめてあげてくださいな。
ルナルナルナ





ルナルナルナ





ルナルナルナ





ルナルナルナ





ルナルナルナ





ルナルナルナ

『ルナちゃん、最後までありがとう。』



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この記事へのコメント
まゆさん
コメントありがとうございます。

愛犬を喪うことは、さぞかしおつらいことでしょう。
症状からは心不全しか考えられませんが、お悔やみ申し上げます。

連絡つかなかった先生への、【うらみ・つらみ・不信感】はあるでしょうが、
何と言っていいものやら・・・
私も、同じような思いを飼い主さまにさせていることがあると思います。

仕事へのon/offスイッチをつけないと、普通の人間はストレスで、
それこそ松田選手のように心不全で逝ってしまいます。
ずっとonでいられる人は、よほど精神力・胆力・生命力に富んでいるとしか考えられません。
それか、手抜きでもしてるんでしょうか???

電話恐怖症・・・
安心して酒は飲めず・風呂も入れず・寝ることもできず・休日の映画も楽しめない・・・
獣医師だけでなく、ベンリな携帯電話をかえって疎ましく、うらんでいる職業の方は多いことでしょう。

てんかんのワンちゃんも、うまくコントロールできるといいですね。

私がうける愛犬の死への感情はとても複雑で、きっと普通の飼い主さんは理解できないかもしれません。
死亡したルナの体を、死亡した直後に検死解剖した行為は、もはや職業意識が悲しみを凌駕しています。
大学病院や研究熱心な獣医さんは、飼い主さんを説得して頻繁に検死解剖を行っていますが、
私からなかなかすすめ難い・・・
悲しみにくれる飼い主さんを説得し、すべての死を解明し生につなげたい・・・
そんな風に考えるのは、獣医師以外何者でもありません。

先日、当院で1ヶ月以上肝不全の治療をした後の死亡で、原因究明をご希望の飼い主さんが、
『自分の愛犬の死を知りたいので、解剖をお願いしたい!!』 きっと、すごく決断が必要だったでしょう。
こちらからお願いしなければいけないことを飼い主さんからいっていただき、ありりがたく検死いたしました。
結果は【癌】でした。
エコーで何度も確認し、癌はないと確信していたのに・・・
穿刺バイオプシーや試験的な開腹、内視鏡・腹腔鏡をもっと積極的にすすめていたら・・・
こんなことがあるから、原因究明は必要だと感じ、毎日勉強なんだと改めて反省しました。

動物がホントに大好きなら、獣医師という職業をまっとうするにかなり難しい。
動物愛護や環境保護の運動に心血注ぐべきであると・・・
呪術や祈りで病気が治れば一番いいのですが、そうもいかず。
【人間愛と動物愛】のはざま、多くの獣医師は、複雑な気持ちの中で日々診察しているのだなぁ。

【素適な病院】といわれお尻がむずがゆくなってしまったので、ついつい長い文章になってしまいました。

まゆさんも、動物の死に悔やむことなく、
【座って半畳、寝て一畳・・・】
できる範囲の中で、できる限りのことをがんばるしかありません。
それっきゃありません。
Posted by ルナ動物病院ルナ動物病院 at 2011年08月08日 11:08
はじめまして。
愛犬がてんかんだと判り、いろいろな方とお話ししている中で、
こちらの病院を教えていただきました。
街中を通らなければならない事や、少し遠い事から、
まだお伺い出来ずにいますが、
ルナ動物病院さんのお名前、
先生の大切なワンちゃんのお名前からだったのですね。
そんな風に一飼い主としてのお気持ちも解って下さる先生だからこそ、
みなさんがお勧めして下さる、素敵な病院なんだろうなって思いました。

私は今年、3月に世界一溺愛していた最愛の愛犬を亡くしました。
心雑音はずっとあったのですが、悪くはなっていないとの事で、
安心していたのですが、
亡くなる2日前から咳が酷くなり、かかりつけの病院で注射をしていただいたのですが、
一向によくなる気配もなく、
亡くなる前日、病院がちょうどお休みだったのですが、
先生に電話が転送されるようになっている病院だったので、
必死に電話をかけ続けましたが、先生に繋がる事も、
先生から電話がかかってくる事もなく・・・
そのまま翌早朝、私がほんの少し眠ってしまった間に、
愛犬は私の隣で亡くなっていました。
先生が電話に出てくれていたら・・・、先生が連絡をくれていたら・・・と、
ずっと悔やんでいましたが、どんなに悔やんでも愛犬はもう居ない;;
結局何が原因で亡くなったのかもわからないまま、まだ辛い日々を過ごしております。

そして6月には一昨年保護したおじいちゃんワンコを、たぶん老衰で亡くしました。
最後の数週間は認知症とウジとの闘いでした。
最後の最後に痛い想いをさせてしまった事、とても悔やんでいます。

大切な愛犬を亡くすって、本当に辛い事ですよね・・・。
今、てんかんの子がいるので、とても心配ですが、
医療は日々進化している!
今は、お薬でひと月半に1度くらいの軽い発作で落ち着いていますが、
もっともっと発作の頻度が減ってくれたら・・・と願うばかりです。

初めてなのに長々ごめんなさい。
ルナちゃんのご冥福をお祈りいたします。
Posted by まゆ at 2011年08月07日 23:57
こつぶともみじのママさん
コメントありがとうございます。

動物との別れはつらいのですが、
それ以上の楽しみや喜び・発見があるから家族に迎え入れることができます。
保護したネコちゃんも、よろしくお願いいたします。

見送った動物たちは、天国で元気よく暮らしているでしょう。
だからこそ、残された私たちも元気よく、前向きに暮らさなくてはいけませんね。

やさしいお気遣い、ありがとうございました。


この子ママさん
いつもコメントありがとうございます。

死して なおも名を残す・・・
考えてみれば、ルナちゃんカッコいいですね~
それならばルナに負けないよう、
私は、記録より記憶に残る人間になるべくがんばりましょう。

そして、
お言葉を一同で心に刻み、
ルナ動物病院は今後も進化し続けるように努力いたします。
Posted by ルナ動物病院 at 2011年07月26日 10:10
この子ママです。

ルナ動物病院のコンセプト
『動物にやさしく、人にやさしい、あたたかい病院』
来年の4月で10周年。
先生の想いは、スタッフの皆さんにも浸透して
ステキな病院です。
何が素敵か??
先生はじめ、スタッフの皆さんから
『嫌な気持ち』にさせられた事がない。
・・・これって、結構難しいことだと思うのですが。。。

私のワガママも受け止めてくださった先生に、
私に出来る最大限のこと・・・させて頂きたいです。

ワンコだけでなく、
私達の団体のことまで気に掛けてくださって。。。
本当に感謝しています。 
被災地の再興支援に、微力ですが
私達に出来ることを、
これからも継続的にしていきたいと思っています。
これから先長い人生を控えている子ども達が
安心して住める町にならないと!!
大人の役目ですものね。

ルナちゃんの死で・・・
色々な事考えさせられます。
死んでも尚、名を残す!
ルナちゃん!最高!!!
Posted by 浜松DC浜松DC at 2011年07月26日 06:56
ご無沙汰しております。

その節は、こつぶがお世話になりました。
時々ブログを拝見しておりましたが、ルナちゃんが亡くなったとの事。
先生もさぞかしお力落としのことでしょう・・・

実は、こちらも昨年12月2日にこつぶを見送りました。
本当に辛かったです。最後は、私の腕の中でした。。。

以前先生に診て頂いた保護ネコちゃんも、今では家族の一員となりもみじと仲良く暮らしています。

ペットが亡くなるのは、家族が亡くなるのと同じこと。
先生もお辛いでしょうが、元気を出してくださいね。
ルナちゃんも、きっと天国で先生を応援していることと思います。

まだまだ暑さが続きます。
どうぞ、お身体偽自愛くださいませ。

磐田市在住 こつぶともみじのママより
Posted by 磐田市在住 at 2011年07月25日 22:16
このちゃん
コメントありがとうございます。

このちゃんはよくがんばっています。
腫瘍手術、抗がん剤治療、再生医療、骨折治療・・・・
このちゃんは、まだまだげんきですよ~
私も、ご家族の方と一緒にいられる時間をつくることができるように、努力いたします。

そうそう、中日新聞に被災地でのご活躍が掲載されていましたね。
今後の浜松DCのますますのご活躍もお祈りいたします。

お言葉、ありがとうございました。
Posted by ルナ動物病院 at 2011年07月25日 14:00
この子ママです。

このちゃんのママ、エミ子もお世話になりました。
実母の介護とエミ子の介護が重なり、心身共に疲れていました。
その時の先生の言葉が、今でも忘れません。
私・・・『何もしないんですか??死ぬのを待っているだけですか??』
先生・『獣医師として何もできなくて、ゴメンナサイ』

今思い出しても、涙がこぼれます。
本当に失礼なことを言ってしまいました。
獣医師である前に、先生も人の子。
ワンコやニャンコを愛する人。
そして、今、愛犬ルナちゃんを亡くした飼い主さん。

出来るはずのことが出来なかったこと・・・
悔しかったでしょう!!
私は、幸せでした。ちゃんとお別れの時間が持てました。
本当にありがとうございました。
奇しくも、この子ちゃんは、ルナちゃんと同じ病。
これからも、ルナ先生に愛犬を託して
この子ちゃんが天寿を全うする日まで
どうぞ、お力をお貸し下さいませ。

ルナちゃんのご冥福と
ご家族の皆さんの悲しみが少しでも
少なくなりますように・・・お祈りしております。      合掌
Posted by 浜松DC浜松DC at 2011年07月24日 12:39
のあママさん
コメントありがとうございます。

ジャックちゃんを亡くしたこと、存じ上げず申し訳ありませんでした。
心よりお悔やみ申し上げます。

時がいやしてくれることを願っております。
お心づかい、ありがとうございます。
Posted by ルナ動物病院 at 2011年07月23日 13:34
ルナちゃんのご冥福心よりお祈り致します。
以前、角膜潰瘍、気管虚脱でうちのジャック(ヨーキー♂)がお世話になりました。 その節はありがとうございました。
ジャックも3週間ほど前に亡くなりました。
愛犬の死は本当に辛いものですね。
先生もお気を落とさないで下さいね。
Posted by のあママ at 2011年07月22日 23:12
イルカ・ボーイさん
コメントありがとうございます。

小さなワンちゃんは、T.プードルのアリスです。
今は彼女が散歩の相棒です。
お見知りおきくださいね。

でっかい犬がぐいぐい引っ張ってくれないと、正直、散歩した気持ちになれません。
(ホンとは、引っ張らないようにしつけないといけないのですが・・・)
大型犬の飼い主様はきっとわかってくれるでしょう。

いなくなった寂しさ=散歩が物足りない
散歩のたびに、思い出してしまいます・・・
Posted by ルナ動物病院 at 2011年07月21日 19:49
そうでしたか~
最近、ルナちゃん見ないな~と思っていました!

ルナちゃんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

先日小さなワンちゃんの散歩姿を見かけたんですが!
おつらい事でしょう!僕も残念です(涙)
Posted by イルカ・ボーイイルカ・ボーイ at 2011年07月21日 19:14
おいもちゃんずママさん
コメントありがとうございます。

『どうすればよかったか?』
おっしゃるように、いつも自問自答しています。

今回のことを踏まえ、健康診断で超音波検査が必要なことを痛感しました。
発見した病気がルナのようなものであれば、たとえ助けられることにならなくても、飼い主様が病気を認識し、少なくともお別れする時間を作ることができますよね。

がんばります。ありがとうございました。



さのすけ の おばさん様
コメントありがとうございます。

母のつらさは、時が癒してくれること願います。
私自身は獣医師としての喪失感が勝っています。
生き物の生死に慣れてはいけないのですが、麻痺しているのでしょう。

この喪失感は、みなさんの動物を治療の甲斐なく喪った時にも感じていますが、今回はかなり強烈です。
それが、唯一飼い主の証なんでしょう。

この感情を忘れないようにして、次の努力、日々の勉強につなげていきます。
優しいお言葉、ありがとうございました。



ふらりんさん
コメントありがとうございました。

ふらりんさんが表現されたとおり、虚無感をつよく感じます。

獣医師として何もできないじゃないか?
治しているようで、悪化させているんじゃないか?
不安が増してきます。

『うちの子で生まれ、ルナにとっても幸せだった』と思うことが、
唯一の満足でしょうね~
愛犬を大事にされているふらいんさんに云っていただき、
感謝の気持ちいっぱいです。
ありがとうございます。
Posted by ルナ動物病院ルナ動物病院 at 2011年07月21日 18:34
びっくりしました・・・。
ルナちゃんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

獣医であるからこそ、愛犬の死は辛さのほかに
どうしようもない無念さを感じられていることと思います。
悲しみの中でも診療はあり、しばらくは虚無感でいっぱいでしょうけれど
どうかご自愛なさってください。

ひとつだけ言えます。
ルナちゃんは虹の橋で先生の愛犬で本当に幸せだったと思っていますから!
Posted by ふらりん at 2011年07月21日 15:58
お悔やみ もうしあげます
先生も ご家族も ルナちゃんのことを思うたびに おつらいことでしょう
つらいお気持ちを 時間が癒してくれますよう そしてルナちゃんのご冥福を 心よりお祈りもうしあげます
Posted by さのすけ の おばさん at 2011年07月20日 22:08
ルナちゃんが急に亡くなられた事、心からお悔やみ申し上げます。ルナちゃん今までよく頑張ったね。『わんパト』&『エコ犬』ありがとう。ご苦労様。ゆっくり天国で休んで下さい。私も六年前、「うり」を亡くしましたが老衰とはいえ本当につらかったです。うりも癌を患いましたが手術してその後4年間命をいただきました。16歳で亡くなりましたがそれでもやはりつらかったです。「16歳まで生きたなんて贅沢だ」と言われそうですが、飼い主にとってはどんな死に方をしてもつらいものです。忘れるなんてできません。現在飼っている「おいも」で12代目になります。私も自分の犬だけでたくさんの犬達を見送ってきました。何回もその場面にあってもつらいし忘れることなんてできないです。私は元トリマーで動物病院に勤めた事もありました。他の家の犬が亡くなっても悲しいです。動物病院に勤めた以上どうしょうもない事だったのでが・・・・・。やはり獣医さんではなくても「ああしてやればよかった、こうしてやればよかった、何で気づいてやれなかったんだろう。少しでも気づいていたなら直ぐに獣医さんに報告すればよかった。」これは勤めていた病院だけの事ではなくて家の代々の犬達にしてもそうでした。先生頑張って下さい。
Posted by おいもちゃんずママ at 2011年07月20日 00:26
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