ルナ先生日記

浜松市中区佐藤にあるルナ動物病院 院長のブログです。 動物病院の先生は日頃こんなこと・あんなことを感じています。 ぜひおたのしみください。

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2013会陰ヘルニア手術

カテゴリー │消化器疾患

2013会陰ヘルニア手術以前も記事にしましたが、『会陰ヘルニア』という病気ってご存知ですか?
このワンちゃんは右側の会陰ヘルニアになり、肛門から挿入した指の輪郭が盛り上がっていることが確認できるでしょう。
こうして直腸が曲がっているところに宿便がたまり排泄しにくくなることで動物はいっそういきみ、ヘルニア孔がますます大きくなるという負のスパイラルが始まります。
2013会陰ヘルニア手術穴が大きくなれば、当然直腸だけでなく腹腔内のほかの臓器(膀胱・前立腺・子宮など)が出てきて一層病態は複雑になるのです。
このワンちゃんは高齢で、幸いにも発見が早く膨らみもわずかで穴も小さかったので、なるべく動物の負担が少ない方法を選択しました。

2013会陰ヘルニア手術それは『メッシュ法』です。
人のそけいヘルニアなどでは、
それのために開発されたメッシュによる閉鎖がメインです。
動物の場合、専用インプラントは販売されていません。
2013会陰ヘルニア手術そのため長方形のメッシュを、
ヘルニア孔のサイズに合わせこのように円錐形に折りたたみます。
形が崩れないように同質の糸で縫合し、
余分な端はトリミングし挿入しやすい形に整えます。
そして挿入~
2013会陰ヘルニア手術トリミングした端の四方を、
周りの残存した筋肉に再発しないようガッチリ縫合していきます。
その後、定法どおり皮下組織と皮膚を縫合し終了~
なんと手術時間は1時間程度でした。
内閉鎖筋と浅でん筋による閉鎖であれば3時間近くの手術になっていたので、この手術の速さに実施した本人がびっくり仰天。
インプラントの使用は感染性リスクが高まるので賛否両論です。
そして私自身、インプラントは再発症例で実施するものと決め込んでいました。
しかし、2013年この方法で会陰ヘルニアの手術を実施しましたところ、欠点を上回る利点が多いことに感動~
とにかく時間が早く動物への負担が少ない、もちろん疼痛も最小限に抑えることができるため、
今後、当院メインの手術法になっていくこと間違いなしです




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