2008年10月24日20:10
【獣医師】こんなんしてました
カテゴリー │協力隊の記憶
【獣医師】の仕事=動物の治療
だけでなく、製薬会社の基礎研究、動物医療薬の開発、保健所などの公務員、食肉検査場の検査官などいろいろあります。
私はアフリカで、こんなことやっていました。
写真はクリックすると大きくなります。
だけでなく、製薬会社の基礎研究、動物医療薬の開発、保健所などの公務員、食肉検査場の検査官などいろいろあります。
私はアフリカで、こんなことやっていました。
写真はクリックすると大きくなります。
ダニに刺されると感染する、タイレリア症という病気の疫学的調査。
ダニ駆除のため『ディッピング』に集まってきた牛に対し、無作為に採血。
検査室に持ち帰り、血液を染色、血液検査をし、タイレリア症の感染状況を調査していきます。
これは、マザブカ地区の保健所の一室です。
器具、機材は日本の寄付で入っているので、顕微鏡はニコン。
アフリカにもったいないほど、いいものがありました。
しかし、こうした調査で『ディッピング』の効果判定ができるのです。
病気の牛がいれば、そのときに治療したり、治療依頼を受けたりしました。
感染牛に対しては、望む農家に対し治療を行います。
すべての感染牛に治療できればいいのですが、
治療薬は高額で、裕福な農民しか治療を受けることができません。
しかも、治療しても助からないことも多く、
治療した牛は治療薬が体内に入っているため食料にできません。
ここで農民は重大な決断を強いられます。
病死なら食料にできるのに、治療したために食料にできなくなるのです。
高価な治療費を支払い、動物が死亡した時には食料にできない
というジレンマは大変な決断です。
アフリカの人達に、自分たちの財産が死亡しても食料にできない
ということを理解してもらうには大変でした。
『薬を使用しているのだから、人体に影響するかもしれないので食べてはいけない』と、何度も何度も現地語の通訳を通してお願いしても、
食べちゃってるのです。
それで人体に影響が出れば私の責任になるで、説得するのに必死です。
食べそうな農民には絶対治療しないようにしていたのですが・・・。
今の生活を考えると夢のような毎日でした。
アフリカはのんびり、のんびり時間が過ぎていきます。
今は、注射一本でもピリ・ピリ。
副作用がないか、異常がないか神経を研ぎ澄ましています。
例えば、治療のため時間を待ち合わせして農家に赴いても、牛がいないことなどは日常的でした。
牛どころか、人影さえいないときもありました。
最初のころは、流石私も日本人。
時間のルーズなところや、約束を守らないことにいちいち腹を立てていました。
しかし、いつの間にか、怒ることや腹を立てることが馬鹿らしくなったのです。
『郷に入っては、郷に従え』
『まっ、いいか~』
で、アフリカのすべては過ぎていきます。
日本人の観念を押しつけても、無駄なことなのです。
つづく・・・。
おまけ:
体内から薬剤が排出されるまでの期間を、休薬期間といいます。
先進国では厳密に守られています。
皆さんが飲んでいる牛乳は、牛を妊娠させ子牛を取り上げ人間が搾乳しています。
まさしく、乳(ちち)生産マシーンです。
そのため食事も高エネルギーのものを与え、生物が自然に出す以上にお乳を搾らざるをえません。
牛には当然無理がかかり、すぐに乳房炎になってしまいます。
乳房炎の原因は、細菌感染が多いので抗生物質で治療されます。
お乳を搾らないと乳房炎は悪化するので、毎日搾りますが、
抗生物質を使用すると休薬期間があるので、その乳は廃棄しなくてはいけません。
出荷する乳に間違って混入すると、さあ大変。
大変な損失になるため、かなり厳密に注意しないといけないのです。
産業動物だけでなく、農産物、食品加工品など、
人が口にするものには、使用する薬剤の制限が必ずあるのです。
最近『食の安全』がクローズアップされています。
もちろん、守らないといけません。
私だって、
日本国内で、安全だと思って食べたインゲンさんで死にたくありません。
しかし、食の安全といえるほどに、
日本は
食料が豊富に、有り余っていることに感謝しなくてはいけないのでしょう。
飢えと戦い、水の確保にあえぐ、ほとんどの地球上の人々は、
食の安全どころか、腐っていても食べざるを得ない状況なのですから。
ダニ駆除のため『ディッピング』に集まってきた牛に対し、無作為に採血。
検査室に持ち帰り、血液を染色、血液検査をし、タイレリア症の感染状況を調査していきます。
これは、マザブカ地区の保健所の一室です。
器具、機材は日本の寄付で入っているので、顕微鏡はニコン。
アフリカにもったいないほど、いいものがありました。
しかし、こうした調査で『ディッピング』の効果判定ができるのです。
病気の牛がいれば、そのときに治療したり、治療依頼を受けたりしました。
感染牛に対しては、望む農家に対し治療を行います。
すべての感染牛に治療できればいいのですが、
治療薬は高額で、裕福な農民しか治療を受けることができません。
しかも、治療しても助からないことも多く、
治療した牛は治療薬が体内に入っているため食料にできません。
ここで農民は重大な決断を強いられます。
病死なら食料にできるのに、治療したために食料にできなくなるのです。
高価な治療費を支払い、動物が死亡した時には食料にできない
というジレンマは大変な決断です。
アフリカの人達に、自分たちの財産が死亡しても食料にできない
ということを理解してもらうには大変でした。
『薬を使用しているのだから、人体に影響するかもしれないので食べてはいけない』と、何度も何度も現地語の通訳を通してお願いしても、
食べちゃってるのです。
それで人体に影響が出れば私の責任になるで、説得するのに必死です。
食べそうな農民には絶対治療しないようにしていたのですが・・・。
今の生活を考えると夢のような毎日でした。
アフリカはのんびり、のんびり時間が過ぎていきます。
今は、注射一本でもピリ・ピリ。
副作用がないか、異常がないか神経を研ぎ澄ましています。
例えば、治療のため時間を待ち合わせして農家に赴いても、牛がいないことなどは日常的でした。
牛どころか、人影さえいないときもありました。
最初のころは、流石私も日本人。
時間のルーズなところや、約束を守らないことにいちいち腹を立てていました。
しかし、いつの間にか、怒ることや腹を立てることが馬鹿らしくなったのです。
『郷に入っては、郷に従え』
『まっ、いいか~』
で、アフリカのすべては過ぎていきます。
日本人の観念を押しつけても、無駄なことなのです。
つづく・・・。
おまけ:
体内から薬剤が排出されるまでの期間を、休薬期間といいます。
先進国では厳密に守られています。
皆さんが飲んでいる牛乳は、牛を妊娠させ子牛を取り上げ人間が搾乳しています。
まさしく、乳(ちち)生産マシーンです。
そのため食事も高エネルギーのものを与え、生物が自然に出す以上にお乳を搾らざるをえません。
牛には当然無理がかかり、すぐに乳房炎になってしまいます。
乳房炎の原因は、細菌感染が多いので抗生物質で治療されます。
お乳を搾らないと乳房炎は悪化するので、毎日搾りますが、
抗生物質を使用すると休薬期間があるので、その乳は廃棄しなくてはいけません。
出荷する乳に間違って混入すると、さあ大変。
大変な損失になるため、かなり厳密に注意しないといけないのです。
産業動物だけでなく、農産物、食品加工品など、
人が口にするものには、使用する薬剤の制限が必ずあるのです。
最近『食の安全』がクローズアップされています。
もちろん、守らないといけません。
私だって、
日本国内で、安全だと思って食べたインゲンさんで死にたくありません。
しかし、食の安全といえるほどに、
日本は
食料が豊富に、有り余っていることに感謝しなくてはいけないのでしょう。
飢えと戦い、水の確保にあえぐ、ほとんどの地球上の人々は、
食の安全どころか、腐っていても食べざるを得ない状況なのですから。