ルナ先生日記

浜松市中区佐藤にあるルナ動物病院 院長のブログです。 動物病院の先生は日頃こんなこと・あんなことを感じています。 ぜひおたのしみください。

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幹細胞とiPS細胞

カテゴリー │再生医療

幹細胞とiPS細胞
山中教授、ノーベル賞おめでとうございます。
沈滞した日本社会、久しぶりにスカッとしたのは私だけではないでしょう。
教授が受賞したのはiPS細胞の大発明、当院で治療できるのは幹細胞
何が違うのでしょうか?

幹細胞とiPS細胞
これは、当院で増殖・培養した脂肪幹細胞です。
この後、この細胞を変形性関節症の治療のため関節内注入しました。
その他脂肪幹細胞は、脊髄損傷の神経再生、癒合不全の骨折治療などなどに利用できますが…

今週末に脂肪幹細胞治療予定の患者様にも『あれって、今度うちの子にするのと同じやつ?』と聞かれ、
一躍有名になったiPS細胞との違いをお話ししたばかりでした。

受精卵細胞が設計図通り分裂増殖すると、生物の形が作られます。
こうしていったん形作られた成熟した細胞は、機能・役割が決められています。
細胞分裂で増殖しても肝臓の細胞は肝細胞、皮膚の細胞は皮膚細胞として増えていくだけなのです。
不思議ですよね。
しかし幹細胞は、受精卵のように細胞分裂しながら別の機能を持つ細胞に変身することができるのです。
そうした幹細胞のなかに「ES細胞」と「骨髄幹細胞・脂肪幹細胞」そして「iPS細胞」があるのです。
●育つ前の初期胎児にあるタイプ
 ES細胞=Embryonic Stem Cell:ESCs
 授精した胚(受精卵)から取りだした「胚性幹細胞」
●育った人間の体にあるタイプ
 成人の骨髄から取りだした「骨髄性幹細胞(骨髄幹細胞、造血幹細胞)」
 脂肪から取り出した「間葉系幹細胞」
●大人の細胞の遺伝子を組み替えた「iPS細胞(人工多能性幹細胞、俗に新型万能細胞とも言われる)」
まだまだわからないことが多い幹細胞ですが、
研究が進むことで細胞から臓器や皮膚を作り出し移植できる、そんな夢のような再生医療が実現できるようになるのです。
もうすぐそこに、神の作業を人類が行う時代が来る…
クリアしなければいけない道徳や倫理的な問題が多いけれど、人類はこうして死と戦っていくのですね~
私には良いか悪いかはわかりませんが、必要なことであれば許されていくでしょう。



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