ルナ先生日記

浜松市中区佐藤にあるルナ動物病院 院長のブログです。 動物病院の先生は日頃こんなこと・あんなことを感じています。 ぜひおたのしみください。

powerd by うなぎいもプロジェクト

『動物にやさしく、人にやさしい、あたたかな病院』をモットーに、スタッフ一同努力してます。
icon11病院スタッフブログはコチラicon11ルナ動物病院HPはコチラicon11

犬疥癬症

カテゴリー │皮膚疾患

犬疥癬症数年ぶりに『犬疥癬症』のワンちゃんが来院しました。
このわんちゃんは、3月から痒がりはじめ、8月から症状が悪化してきたそうです。
脱毛が激しく、肌はボロボロ、見た目はかなり重篤な皮膚病です。
しかし、駆除剤を使えばあっという間に完治しちゃうんです。
皮膚検査で診断がつけばスムーズに完治させることができるので、簡単な病気の一つといえるでしょう。
しかし、検査をしても検出できない場合もあります。
そんな場合、動物の症状が疑わしければ診断的治療を実施します。
しかも、疥癬症が人に被害をもたらすことも知っているので、ワンちゃんの痒みがひどく人にも症状がある場合は疥癬症を強く疑うことが出来るのです。
ここがポイント。
獣医師は、飼い主様にも痒みがないか必ず確認するのです。

このワンちゃんの飼い主様に伺うと、やはり痒みを伴う特徴的な発疹がありました。
しかし、飼い主様の皮膚病は地元の皮膚科で原因不明と診断され、浜松の有名な総合病院の皮膚科でも原因不明のため症状は改善せず困っていたそうです。
しかも飼い主様は、『犬を抱っこすると痒みが強くなるので、犬が原因ではないか?』と、お医者さんにヒントまで与えていたそうです。
どうして診断できなかったのでしょうか?
浜松には疥癬症は存在しない病気になっているのかな?
それとも、保険診療の限界があるのかな?
飼い主様は、お医者さんから疥癬症の可能性すら示唆されていませんでした。
理由は不明ですが、いずれにしても見逃していたのは事実です。
ひよっとしたら、巨大病院や皮膚専門医より、田舎の町医者さんの方が的確に診断できていたかもしれませんね。

私たち獣医師は、飼育環境、動物への接し方、食事やおやつ、飼い主様の家族構成を伺い、体重、体温、呼吸数、心拍数、脈圧、毛並み、匂い、視診、聴診、触診だけでなく五感すべてを動員し診断します。
我慢強く、言葉を話さない動物を診るには、飼い主様の主訴がすごく重要です。
獣医師は、動物を診て飼い主様も見て、病気の診断をするのです。
小児科の先生はそれに近いのかな?
それじゃ、他のお医者さんは?
最近は、患者さんの顔も見ず、カルテとデーターしか見ないお医者さんもいると聞いています。
そんな場合、『お忙しいと思いますが、お願いですから私を見てください。』と、頼むしかないでしょう。


同じカテゴリー(皮膚疾患)の記事
外耳炎
外耳炎(2019-10-10 18:42)



上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
犬疥癬症
    コメント(0)